武井宏員 | MY PERSPECTIVE

Aug. 13. 2020

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Hirokazu Takei

Photographer

写真家・事業家。大阪生まれ。アメリカ育ち。東京在住。
ニューヨークでファッションフォトグラファーとして活動を開始。
2015年に東京へ拠点を変えポートレートを中心に
様々な作品を作り上げている。
2018年にEstee Lauder Companiesの経歴を終え、
国内最大級の写真の学びサイトCURBONを立ち上げた。

7つのキーワード

被写体

被写体の8割は人物で、残りはスナップ、風景、ブツ撮りです。人物は静物撮影とは異なり、毎回違う表現をしてくれるので新たな繋がりが生まれるところが魅力だと感じています。人物撮影だからこそ生まれるきっかけや関係性が、自分にとって大きな財産となっています。

インフルエンサーのみなさんはセルフブランディングをすごく意識していて、被写体も統一している方が多いですが、僕は自分の作風やスタイルなどは考えないようにしていて、なんでも撮るタイプです。今のSNS界隈だとレアなほうかもしれません。

機材

今はLeica Q2やFUJIFILMから出ているAPSCのXpro3とXT4、中判のGFX50R(orS)を使っています。フィルムで撮る時はContax T2、Autoboy SII、Pen EE3を使っています。前は違うカメラを使用していたんですが、軽くて小さい富士フイルムの方が自分の撮影スタイルには合っていたので、買い換えました。

基本はデジタルの2刀流でLeica Q2、XT4をメインに使っていて、スタジオ撮影時は中判を使います。最近購入したのでまだあまり使用していませんが、中盤カメラは解像度やシャープネスが段違いだと感じます。逆にやわらかい質感を出したいときはフィルムを使っていますね。

あと、欠かせないものとしては、自分のプリセットでしょうか。あてるプリセットで作風が180度変わるので大切にしたいです。もしかしたら、そろそろ公開するかもしれません。

理由

僕が写真を撮る理由は単純に、楽しいからです。ですが、自分がもしフリーランスで写真をやっていたら、様々な対象・シチュエーションを撮る必要があるため、写真が嫌いになっていたかもしれません。写真を楽しむためには、好きなものだけを撮っていることが大切だなって思っています。ぶつかる壁があっても、それを乗り越えていくのが楽しいと感じます。それはきっと、好きなものだから。常にモチベーションをあげる撮影をすることが、一番の上達に繋がる道だと思っています。自分が好きだと思う写真を撮れたときが、もっとも効果があると考えています。

あとは、写欲が湧いてこないというときこそ、撮影に行くようにしています。そこで撮っているとだんだん元気が湧いてきて、写真への「好き」が生き返ってくるのです。

理想

写真家になる「目標」というのはありません。ですが、自分が大好きな「写真」というテーマに残るものが作れたら良いなという野望はあります。それがCURBONです。CURBONを通して写真が好きという感情を表現しつつ、写真をやっているだけでこんなにも世界が変わるんだという事実をもっと多くの人に広げたい。それがその人にとっての人生のきっかけになることができたら嬉しいなと思っています。起業家としても写真はやめたくないので撮り続ける努力もしています。「忙しいのになんで撮ってるの?」と言われたりもしますし、正直、写真をやめたくなるときもあります。ですがこれは自分の中で貫きたい部分なので続けています。

写真を続けているもう一つの理由としては、たまに周りから「仕事があって忙しい」「だから写真が撮れない」という意見もあるわけです。ですが、忙しくても写真は撮れるということを、自分へのチャレンジとしても身をもって証明したいと思っている部分もあります。

発信

僕が現在撮っている写真は、もし本当に写真家としてやっていくのだとしたら、目指すべき方向が違うのだろうなと思っています。本来大好きなテイストを挙げるとしたら、ぱっと思いつくのは鈴木悠介(@monocolors)さんのような、ファッション性があるもの、ダーク・クールなもの。写真家としてやるなら、そこに寄せると思います。

ただ、CURBON代表の立場から見ると、発信力は必要不可欠なものだと感じているので、そこはちゃんと線引をしています。つまり、SNSにあった「ウケる写真」をできるだけ出していかなきゃなと。今のこの世界でいうと「撮って見てもらう・そこで評価を得る・また次の撮影に繋げる」というサイクルは大切だと思っています。

撮影だけなら、思い出としての記録で良いと思うのですが、SNS界隈でやっていくためには「発信」が重要だと考えています。ですが、僕にとっては、有名になることがゴールではないです。

個人的な考えでは昔の作家でもそうだと思いますが、写真は「自分だけのものでもあるけれど、世の中に出していきたい」という想いがあるのではと思っています。その媒体が、昔は写真展や個展が主流だったけれど、今はよりスピード感を持ったSNSに変化してきている。ただ、根本的なところでは変わってないんじゃないかなと感じます。「写真を続けていく」ためには、人に見てもらって、どんどん輪を広げていく必要があります。SNSに限らず、その時々に適した方法を見つけていくことが大切だし、僕はそうしていきたいなと思っています。

仕事

基本的に、僕が価値を置いているところは「初めて〇〇をした」という感覚です。初めてなにかをした驚きや感動が好きなので、いろんなことをやってきました。だからこそ、ものすごくハマることもありますし、飽きることも多いです。写真を通して、色んなことをやってみたいです。今までの概念に囚われないで、新しい可能性を生み出していきたいです。フォトグラファーとして表現するということは決して写真だけではないと思っていて、個人的には写真を撮っているときでも、CURBONとして仕事をしているときでも常に何かを生み出していければ幸せです。

未来

これは夢であり野望なんですが、自分の中では7割起業家、3割フォトグラファー。人が産まれたときからCURBONが身近にある世界を作りたいです。写真が趣味、趣味ではないの2択ではなく、もっと自然と写真が皆さんの世界に溶け込んでいて、暮らしの一部として、一般の皆さんにとって今よりも写真が大きな存在になっている世界をイメージしています。

赤ちゃんって産まれたときからP&Gのおむつとか、花王のベビー用品とかがあるじゃないですか。写真もその頃にはもう赤ちゃんに出会っている。そこで自分も赤ちゃんも知らず知らずのうちに、CURBONにも出会っているという世界にしたいです。

by Hirokazu Takei

武井宏員 | MY PERSPECTIVE

Aug 13. 2020

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