1988年生まれ。武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒業。都内デザイン事務所にグラフィックデザイナーとして勤務ののちカメラマンとして独立。2021年 株式会社fratto設立。
主な仕事内容は商品イメージ撮影や商業施設の撮影。
著書にMdN「伝わる商品撮影の教科書」(2023年9月発売)がある。
7つのキーワード
被写体
仕事では商品撮影や店舗の撮影がメインです。イメージラフを描いたりプロップスタイリングのご提案をさせていただくこともあります。趣味では野菜や果物を被写体に選ぶことが多いです。
素朴な自然のものが好きで、野菜や果物は特に水分が蓄えられて可愛らしいフォルムを作ったり、さまざまな色彩が発現しているのが神秘的で愛おしくなります。実家が八百屋で小さい頃から野菜や果物に親しむ機会が多かったのが土台になっているのかもしれません。
機材
使用している機材はNikonの一眼レフ/ミラーレスカメラをメインに愛用しています。レンズは仕事に応じて広角〜望遠、マクロ、シフトレンズを使い分けています。
Nikonは操作性が良いことと頑丈なこと、下手に撮ったら下手に、良く撮ったら良く写るように感じられるのが好きな理由です。撮り手の腕が素直に反映されている気がして、戒めにもなるので今の自分に合っているなと思います。
一人で静かに撮影している時間が好きなので、事務所は欠かせない場所です。他には、自分に向いている案件をお任せいただける状況が大事だなと思い、得意不得意をなるべくお伝えするようにしています。
スタイリングや写真の方向性から任せていただけるような小回りのきく状況に強いので、大人数で大きな仕事を、というよりは中小企業さんと直にやりとりさせていただくことが多いです。
理由
写真を撮り続けられている理由は、ひとえにお仕事をくださるお客様のおかげだと思います。2017年頃、うつ病を患いデザインの仕事ができなくなってしまう時期がありました。前職でホテルや旅館の広告に携わっていたため、店舗の広告にどんなカットが必要かならわかるなと思い、カメラを購入。店舗を中心にお客様を探し、撮らせていただいたところ、喜んでいただけたことが社会復帰への一歩となりました。それからリピートやご紹介くださるお客様たちのおかげで今日まで写真の仕事を続けてこれたと思います。
理想
近年、個人的にとてもよかった経験としては絵画を購入したことです。自分としてはかなり高額な買い物でしたが、アートにお金を払う経験をしたことで「自分はこれに価値を感じている」とわかり自分が大切にしたい感性にしっかりと目をむけるきっかけになりました。
他にもダンスやガラスなどの写真以外の趣味からの発見が仕事へ良い影響を及ぼしている気がします。
写真家像としては、自分の適性を理解し、滲み出てくるものを大切にして社会と繋がって行ける人。そして自分にとっても、関わってくださる皆様にとっても「ストレスのない状況」を作れる人になりたいです。
あとは全体的な話になってしまいますが、将来的には都会を離れて自然の多いところでひっそりと暮らして行けるのが理想です。自分の感性を育てながら日々幸せを感じられるような生活を送れたら良いですね。
発信
SNSは今の世界に標準装備されていると思うので、その世界で生活している以上何かしらの影響は受けていると考えます。クライアントさんのアカウント投稿用の写真を撮る機会も多いので、お仕事としてはしっかりとSNSを意識しなければいけません。
とはいえ何か抗いたい気持ちがあり、「SNSを意識してるのがバレバレだと恥ずかしいからそう思われないように撮ろう!」と思ったりするのですが、結局そう考えていることも撮影スタイルに影響しているなと思いました(笑)
仕事で撮っているのは何かしらの広告として使われる写真なので、そもそも人の目に届けることが前提です。なので完全に撮影と発信がセットになっています。
趣味の場合も、自分の満足いく写真が撮れたら人に見てもらいたくなるなとは思いますので撮影と発信はセットのような気がしています。ただ趣味のライブ撮影なんかは撮影自体をスポーツみたいな感じで楽しんで発信せずに満足することもありますね。
仕事
本当に理想でいいなら、ものを並べるのが好きなので…何かを並べているだけでお仕事になったら最高ですね(どんな仕事なのかよくわかりませんが、笑)
また、昨年「伝わる商品撮影の教科書」を出版しました。本のターゲットである、プロではないのに自社商品を撮影しなければいけない担当者さんや個人事業主の方から良好な感想をいただき、人に教えることへの興味がより大きくなったので対面でその人の状況に合わせたアドバイスをするようなお仕事もやってみたいです。
未来
写真に限らず、何か作品を作って展示をしてみたいです。カメラを買ってからほとんど仕事で使っており、趣味で撮っていても仕事のための習作みたいになってしまうため個人的な創作物としてまとめて発表したことがないので。
ロジックやわかりやすさに自分の感性が縛られてしまうことがあり、そのことでつまらない絵を作り続けてしまわないように、仕事以外の活動を通して柔軟さを手に入れたいと思います。