こんにちは。朱門(@shumonphoto)です。最近、おかげさまでヒーコ読者の方々から、「チュートリアル記事をいつもレタッチの時に開いて読んでます〜」と嬉しいお声を頂くことが多くなりました。もはや写真家としてではなく、レタッチ記事書く人として認知されてそうですが、(笑) 8-9月には個展も予定していたりで、これからまた写真家活動が忙しくなりそうな予感です。
それはさておき、今回はPhotoshopのLUT (Look Up Table)の作り方とそれを応用したLightroomでも利用できるプロファイルデータの作り方です。
若干、手順が多いのですが、この方法を使えばPhotoshopで調整した露出や色の設定をLightroomでいつでも簡単に適用できるようになって便利極まりないので、ぜひ一度お試しを。
はじめに
今回は少し手順が多いので、次の3つのステップで説明していきます。
- PhotoshopのLUT (ルックアップテーブル)の作り方・使い方
- Photoshopでルックアップテーブルを使った自作プロファイルの作り方
- Lightroom Classic CCで自作したプロファイルを適用する
では、まずは1. の「PhotoshopのLUT(ルックアップテーブル)の作り方・使い方」からいきます。
PhotoshopのLUT(ルックアップテーブル)の作り方・使い方
背景レイヤーがある状態にする
まずは、Photoshopで調整する前の写真データを開きます。
この時、この画像が通常のレイヤーではなく、背景レイヤーとなっていることを確認しておきます。
もし、背景となってない場合はレイヤーを選択した状態で「レイヤーから背景へ」を選択することで背景レイヤーに変換しておきます。
露出・色調系の調整レイヤーで調整を行う
ここからは、基本的にお好みで自由に調整レイヤーを重ねて写真をレタッチしていきます。
注意点としては、レイヤーマスクは使わないことと、フィルターやエフェクト系の効果は適用しないことです。これらはLUT化したときに反映されない情報なため、意図しない結果になることがあります。
ここでは例として、トーンカーブで露出調整とカラー調整をそれぞれ行い、彩度との調整レイヤーで自然な彩度を調整します。
カラールックアップテーブルを選択
次に、下記手順でカラールックアップテーブルを選択します。
ファイル -> 書き出し -> カラールックアップテーブル
本機能で、これらの調整レイヤーで調整した内容をカラールックアップテーブルとして保存することが可能です。
保存の画面では、基本的に保存場所とファイル名はお好みで選択・変更し、その他の設定はデフォルトのままにしておきます。
特にGrid pointは32にしておくことをおすすめします。
作成したLUTを適用してみる
次に、作成したLUTを適用してみます。
先ほど追加した調整レイヤーは削除(もしくは、無効化)し、カラールックアップテーブル調整レイヤーだけを追加します。
ここで、先ほど保存したLUTファイル(.CUBE)を選択します。
調整レイヤーで調整した露出や色の調整が反映されてますね?
あとはお好みで透明度を変えて、LUTの適用具合を調整してみてください。
Photoshopでルックアップテーブルを使った自作プロファイルの作り方
次に、作成したLUTからプロファイルデータを作成します。
プロファイルデータにしておくことで、最後に説明するLightroomやCameraRAWで設定が読み込めるようになります。
背景レイヤーをコピー (Cmd/Ctrl + J)
一旦、写真データを開き直し、背景レイヤーをコピー (Cmd/Ctrl + J) します。
Camera RAWフィルターを適用
次にコピーしたレイヤーにCamera RAWフィルターを適用します。
プロファイルを作成
Camera RAWフィルターのプリセットタブを選択し、Option (alt)キーを押しながら、新規作成ボタンを押します。
すると、プリセットではなく、プロファイルの新規作成画面が表示されます。
作成するプロファイルの名前を入力し、カラー対応表 (Color Lookup Table)をチェックします。
トーンマップ強度は中、カラースペースはProPhoto RGBを選択しておきます。(下記画像参照。)
保存したルックアップテーブル (.CUBE) を選択し、そのままOKを押してプロファイルを作成します。
プロファイルを作成したら、Camera RAWフィルターはキャンセルして閉じます。
Lightroom Classic CCで自作したプロファイルを適用する
つぎに、Lightroom Classic CC (もしくはCamera RAW)で作成したプロファイルデータを読み込みます。
(作成したプロファイルを読み込むために、一旦、Lightroomを再起動する必要があります。)
プロファイルを適用したい写真を選択した状態で、現像タブを選択します。
プロファイルツールを選択し、参照を選択してプロファイル一覧を表示します。
先ほど作成したプロファイルを選択します。
後はお好みで適用度を調整します。
手順まとめ
今回は手順が多いので、以下に手順をまとめておきます。
手順 1. PhotoshopでLUTを作成する
- 背景レイヤーがある状態にする(なければ、作成)
- 露出・色調系の調整レイヤーで調整を行う
- ファイル -> 書き出し -> カラールックアップテーブルを選択
- デフォルトの設定 (Grid pointは32、フォーマットは全部選択)のままOK
- 保存先を選択して、保存する
手順 2. Photoshopでカメラプロファイルを作成する
- 背景レイヤーをコピー (Cmd/Ctrl + J)
- Camera RAWフィルターを適用
- プリセットタブを選択
- オプションキーを押しながら、新規作成
- プリセットではなく、プロファイルの新規作成画面が出ます。
- 名前を入力
- カラー対応表をチェック
- 保存したルックアップテーブル (.CUBE) を選択する
- そのままOK
手順 3. Lightroomで作成したカメラプロファイルを適用する方法
- 現像タブを選択
- プロファイルを選択
- 作成したプロファイルを選択する
最後に
今回はPhotoshopでのLUT(ルックアップテーブル)とプロファイルの作成方法と、Lightroomで作成したプロファイルの読み込み方法をご紹介しました。
Lightroomで自作プロファイルが読み込めることになったおかげで、Photoshopでの調整値を読み込むことができますので、これを機会にみなさんも活用してみてくださいね。
それでは、また。