料理写真をうまく撮るコツ!デザイン要素を入れて楽しむテーブルフォトの撮影レシピ

Aug. 02. 2021

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はじめまして。デザイナーの千葉麻紀(@makichi.note)です。

日々のおうちごはんの写真をスケッチやスタイリングと共に楽しんでいます。

お料理を始めた頃は、毎日何をつくろうか、栄養は足りているかと悩み多き日々でしたが、テーブルフォトをきっかけに、今では、とても楽しい時間になっています。

今回は私のテーブルフォトづくりについてお話したいと思います。

テーブルフォトの魅力は、作る前が実は一番楽しいこと

テーブルフォトの最大の魅力は、「すべての世界を自分で作り上げられる」ということです。

おうちごはんを一つの絵として写真に収める楽しさを知った時、料理へのモチベーションが変わりました。

食材をどのように活かせるかを想像しながらスケッチしたり、スタイリングを考えたりしていると、レシピを考えることも楽しくなります。

作品力を高めるおうちごはんをデザインするプロセス

何を撮るか決める時は、旬の食材をヒントにする

まずは、何を撮るかを考えます。

料理写真を撮るきっかけは何でも良いです。その時に自分が撮りたいと思うものが、一番心を喜ばせてくれるものです。

その中でもヒントとなるのは「旬の食材」です。

食材は必然的に、季節や行事、風土のイメージを纏っていて、テーマが広がりやすいです。そして旬のものは、作る側も見る側も本能的に惹きつけられると思います。

「冬のバレンタイン」をテーマに、冬がシーズンである苺とチョコチップがはいったブラウニーを撮りました。まるごとはいった苺がアクセントになって、テーマにぴったりな写真になりました。

メニューとテーマから主役を決める

テーブルフォトにも主役とテーマを決めてあげると絵はつくりやすくなります。

また、スタイリングを決定していく時の判断基準にもなってきます。メインの料理を主役にするのは分かりやすいですが、色をテーマにしたり、涼しさ、温かさ、などの伝えたい雰囲気をテーマにしたりするのも良いですね。

何か今、自分が欲しているものや、魅力に感じている事を1個でも決めておくと良いと思います。

器とスタイリングでテーブルフォトの世界観を決める

主役を引き立たせ、テーマの世界観を表現するスタイリングは、料理を作る前に決めてしまいます。その為の器選びやリネン、植物のスタイリングはとても重要ですし楽しい時間です。

スタイリングで特に気をつけていることは「配色・素材感・抑揚」の3つです。

配色

まずは、配色です。料理のテーマカラーから1つ同じ色を取り込むことで、親和性が出てきたり、あえて補色をつかうことで引き立たせたり、テーマに合わせて色バランスを考えます。シンプルに世界観を作りたいときは、色を3色に絞るのもおすすめです。

素材感

次に、素材感です。いくつかお皿を使う場合には、素材のテイストを合わせてコーディネートするとまとまりやすいです。艶のあるお皿で清潔感あるスタイリングにしたり、ナチュラルな風合いで揃えたり、素材感を意識すると統一感が出てきます。

抑揚

最後は抑揚です。一枚の写真にした時に大きなお皿と小さいお皿、高さの違いなどを意識すると、写真にリズムが生まれます。私は作る前にまず、器やリネンなどを並べて組み合わせを決めています。

スケッチで色やボリューム感を想像しながらデザインをしてみる

時間がある時は作る前にスケッチも描いています。これは絶対にやらないといけないわけでは無いですが、描くことで見えてくることがあるのと、出来上がりの写真を想像する楽しさがあります。

私がスケッチでまず考えているのは、全体のボリューム感や色合いです。器のスタイリングでは、料理以外の色合いを決めていますが、スケッチでは、さらに器の中の料理の色バランスも詰めていきます。

料理同士の隣り合う色が引き立て合っているか、配置にリズムはあるか、主役は引き立っているかなどを確認します。

スケッチは盛り付けを想像することもできる

もう一つスケッチで気にしているのは、盛り付け方です。

料理は盛り付け一つで輝き度が違ってきます。人が髪型ひとつで雰囲気が変わったり、髪飾りひとつで華やかさが変わったりするように。素材をどのように配置するか、またトッピングをどのようにするかなどを絵で検討します。

例えば、野菜は切って断面を見せた盛り付けにするかとか、フルーツにはハーブを添えて彩りを足すなど、そそられる盛り付けを検討します。

  • 何を撮りたいか決める時は、旬の食材をヒントにする
  • 主役をなににするか決めたり、色や雰囲気をテーマにするとスタイリングしやすい
  • 「配色・素材感・抑揚」に気をつけてスタイリングをする
  • スケッチをすることで色やボリューム感、盛り付けをイメージすることができる

デザインしたおうちごはんを実際に作るテクニック

同じタイミングで料理を仕上げれば出来立てが撮れる

料理は、結局のところ、出来立てが一番いきいきすると思います。

そのために、料理の手順に気を付けています。調理に時間がかかるものと冷えても美味しいものからつくりはじめ、焼いたアツアツが美味しいものは最後に仕上げます。

そして全体が同じタイミングで出来上がるように考えます。これも完成系のスケッチが手元にあると、手順の目安にもなります。

この写真では、手間がかかってしまうお寿司を先につくり、唐揚げは一番最後につくっています。料理する順番を少し意識するだけで、品数が多くても出来立てのテーブルフォトを撮ることができます。

舞台は料理が完成する前に整える

出来立ての料理写真を撮る為には、テーブルセッティングを事前に完成させておくのがおすすめです。

また、その際にカメラをセッティングしてアングルまで決めてしまいます。料理が置かれることを想像しながら、画面の四隅をどこまで入れるか、配置をある程度完成させます。

あとは主役の料理を待つだけという状況で舞台を完ぺきにしておけば、焼き立てもすぐに撮影できます。配置では、画面の中で1本の流れを作ることや、三角構図になることなども意識しています。

朝や曇りの自然光は料理を美しく魅せる

普段の生活の中で撮影するので、自然光が一番美しく良い光だと思っています。

料理の質感やシズル感を出すためにも、逆光または半逆光、斜光を基本に撮っています。

朝方は、強すぎず優しい光でおすすめです。太陽が出て強すぎるよりは、少し曇った柔らかい光が私は好きです。是非みなさんも色々な時間帯で撮ってみて下さい。

おすすめの写真映えする料理

おすすめの写真映えする料理は、朝食ワンプレートだと思います。

代表的な朝食ワンプレートといえば、パンとヨーグルトと目玉焼き。そしてドリンクを添えてみましょう。

そんなに沢山の料理が無くても、朝いちばんのごはんをひとつのお皿に盛り付けるだけで充実した気分になります。

そして、卵は本能的に魅力を感じる食材なのではと思うので、シンプルな目玉焼きに塩胡椒を振って、出来立て艶々な瞬間をとらえてみるのはどうでしょう。

ポイントは、目玉焼きは、蓋をしないでじっくりと焦がさないように焼いてみてください。蓋をすると早く焼けますが、黄身の部分が膜で白くなってしまいます。これをじっくり焼いていくことで、きれいな艶々の黄色い目玉焼きになります。

食材の色の鮮やかさを活かしてあげる調理法もテーブルフォトでは気を付けたいポイントです。是非お試しください。

  • 出来立てが撮れるように、どの順番で料理を作るか考える
  • 料理ができる前にテーブルセッティングをおわらせる
  • 撮影する時は、朝方や曇るの自然光がおすすめ

テーブルフォトの撮影のコツ

影に注意しながら器と料理の高さを考える

器と料理の高さ関係によって影がどのように料理に影響してくるかを注意したいです。

メインの料理が影で隠れてしまったり、魅せたいものが影に入り込んで見えづらくなったりすることないように、影の形を意識します。あえて周りに影を固めて、メインのところに光を持っていき、主役に目が行くようにするアプローチもあります。

また、影が強すぎる時は、レフ板やカーテン、トレーシングペーパーなどで調整します。

主役を際立たせるために背景は奥行きをつくるようにする

普段のテーブルフォトでは、俯瞰の時には55㎜のマクロレンズ、シーンを意識して45度くらいで撮影するときは、85㎜のレンズを使っています。

俯瞰の時でも、45度撮影でも、絞りによって奥行きを感じさせるとシーンに深みが出ます。

植栽の高さを活かして前ボケを作ったり、背景をしっかりとぼかして主役に誘導したり、メイン以外の脇役をどう活かすかを大切にします。

その時の感覚を大切に

色々と準備をして、スケッチをして決めても、実際に出来上がってみると違うことはあります。

それは、大切な気づきなので、その場で臨機応変に変えて、その時に感じた魅力をしっかりと収めることに最後は集中するのが良いと思います。

テーブルフォトを撮影するコツ

  • 影に気をつけながら、主役に目がいくように器や料理の高さを調整する
  • 前ボケや後ろボケを活かして主役を際立たせる
  • 出来上がりとイメージが違うことに気づくことは大切

同じメニューでもデザインを変えるだけで違う作品になる

おうちで作る定番料理だとしても、装いを変えてみると、また違う魅力に出会う事ができる気がします。

季節はどんどん移り変わっていくと同時に新たな食材やメニューの主役が舞い込んでくるので、それをどう輝かせようかと思い描いてみると、テーブルフォトがより楽しくなっていきます。

みなさんもおうちごはんをデザインして、楽しいテーブルフォトライフを過ごしてみてください。

by Maki Chiba

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