こんにちは。Mr.Portrait 写真家の青山裕企(@yukiao)です。肩書き通り、ポートレートの作品を写真展などで発表しています。
写真家を名乗るようになってから十数年間、毎年のように写真展を開催しているなかで、当たり前のようにプリンターを愛用しています。
しかし、最近の若いアシスタントやフォトグラファーなどに話を聞いてみると、
「プリンター? 持ってないです」
「自分の写真を印刷したことがない」
「SNSなどウェブで完結してるので……」
など、自分にとっては驚きの回答が!
もちろん「今ってそんなもん」という言葉で片付けることもできますが、「自分の写真をプリントするのはとっても楽しいし、写真の色を見る力が身につくので、オススメですよ!」
と声を大にして言いたいと、常日頃から思っていました。
そんな私の目の前に現れたのが、エプソンの最新のプリンター「EW-M973A3T」。
これは、「プリントの楽しさや大切さを若い人に伝えなさい」というプリンターの神様からのメッセージに違いありません。そこで今回は、プリントの魅力を思う存分語っていきたいと思います!
写真展にプリントした作品を出そうと思っている人や、紙媒体でポートフォリオを作りたいと思っている人には特に必読な内容となっているので、ぜひ読んでみてください。
プリンター選びが大切な理由。
まずは、プリンターがなぜ大切なのか?ということを「プリンターあるある」を例に考えてみましょう。
プリントしたら思っていた色と違った
スマホやデジカメで撮影した写真をプリントしたときに、
「あれ?私が撮った写真って、こんな色だった……?」
と思ったことはありませんか?
例えば逆光で撮影していい雰囲気に見える写真が、プリントするとなんかくすんで見えるとか。…分かります、あれってかなりガッカリしますよね。下の写真を見比べるとよくわかると思います。
自分的には大満足の写真(逆光デジタル写真の方)を、SNSなどのウェブにアップします。するとアップした写真は、自分も他の人もモニター上で見ることになるので、綺麗なまま。この時点では撮影者はまだ自分の写真のアラに気づいていません。
※ちなみに、デバイスによってモニターのサイズも性能も違えば、明るさ(輝度)も個人が自由に変えることができるので、撮影者がスマホやカメラのモニターで「めっちゃ綺麗!」と感動した写真と同じようには、みんなが見ていないことにも注意しておきたいポイントですね。
そして、ついにプリントする時がやってきました!
ここで撮影者は初めて思います。
「あれ?私が撮った写真って、こんな色だった……?」
プリントした写真こそ最善のメディア
モニターで確認したら綺麗だったのに、プリントしたら思っていたものと違うというこのあるある現象は、皮肉にもモニターが飛躍的に進化した結果といえます。モニターの性能が日進月歩で向上しているので、色も光もめちゃくちゃ綺麗に見えてしまうんです。
もちろん性能の向上は大変素晴らしいことなのですが、写真家にとっては危険性もあります。なにかというと、撮影者が錯覚するんです。写真自体が綺麗に撮れているのではないかと(怖いですね)。
まとめると、モニターの性能が良いため、以下のような現象が起きるということです。
- モニターで見る
- 「めっちゃ綺麗!」
- SNSにアップする
- 「めっちゃ綺麗……だけど、見る人のモニター次第で個人によって異なって見える」
- プリントする
- 「思ってた色と違う!」
ここで声を大にして言いたいことがあります。
それは、プリンターが悪いわけではない!ということです。
そもそもモニターで見る写真と、プリントで見る写真は、全くの別物なんです。
これを前提に強調したい点は、2つあります。
まずプリント写真は(プリントに当たる光が同じであれば)誰がどこで見ても同じ色に見えるという特徴を持っているということ。
そしてもう一つが、上記の理由ゆえに、プリント写真はうまく使えば、自分の表現したい物をきちんと万人に伝えることができる最善のメディアとなる!!ということです。
写真プリントをする前に知っておきたいこと
繰り返しますが、自分が伝えたいことを誰もがわかるかたちで表現できるのが、プリント写真です。
こんな頼もしいものを味方につけない手はありませんよね。
ということで、「プリントをしてみよう!」と思った方のために、ぜひプリントする前に知っておいてほしいことをお伝えしたいと思います。
紙によって変わる表現
実は紙の種類によって、写真の見え方がかなり変わります。
例えばクリスピアという光沢度の高い写真用紙は、発色が非常にあざやかで、シャドウからハイライトまでを滑らかに再現することができるため、透明感や光の表現に向いています。
他にも光沢の写真用紙は全体をシャープに仕上げたり、絹目調の写真用紙はしっとりとした空気感を再現したり、無光沢のマット紙は落ち着いたイメージを出してくれたりなど、それぞれの紙が独自の特徴を持っています。
モニターでは単一的だった見え方が、紙にこだわることでバリエーション豊かに表現できるようになるので、非常に面白いです。ですので、自分が表現したいものに合致する最適な紙を選んでほしいと思います。
プリンター選びのポイント
プリンターのオススメを聞かれたときにはいつも「インクは6色以上あった方がいい」と答えています。本来4色でカラー印刷ができるところを、あえて2色を追加しているため、当然ですが色の階調が豊かになります。ブラック2種類とグレーのインクが入っていますので、モノクロ写真の印刷もオススメです。
せっかく、自分の表現を万人に伝えるための最善のメディアを使っているのですから、インクを6色以上用意して、ぜひご自分のプリントの色を追求してほしいと思います。
写真集を作ってみよう
事前準備が整ったところで、簡単にできる写真集のつくり方をご紹介したいと思います。
私は「ぱち」と名付けているのですが、「8ページの写真集」をあっという間に作ることができます。用意するのは、なんとA3の印刷用紙1枚だけ!
A3の印刷用紙に、このようにデザインをした写真データを印刷します。
真ん中を切って、折っていくと……
8ページの写真集「ぱち」が、できました!(子供の頃によく、こんな風に折って漫画を描いていました)
私は昔から、プリントした写真をよく友達にプレゼントしていたのですが、オリジナリティがあるので、とても喜ばれるんですよね。
この「ぱち」もプレゼントすると喜ばれること間違いなし!ぜひお試しください。
写真印刷が上達するコツ
プリントは、自分ですればするほど上手くなります。ですから、紙を変えたり、色を変えたりしてみながら実際に色々試してみることが非常に重要です。上達するコツは、自分がどんなものを表現したいかと考えながら、何度もプリントしてみることだといえます。
しかし、ここで気になるのが印刷コストだと思います。色を追求するときは、何度もプリントして各々を見比べると思いますが、コストが高いと「お金がかかるから、これぐらいでいいか」と妥協してしまいがち。
その点、「EW-M973A3T」は、エコタンクが搭載されていることで、印刷コストがとても安くなっています。ということは、テスト印刷が気軽にできる!慣れないうちは、実際にプリントしてみないと分からないことが多いので、これはかなり嬉しいメリットなのではないでしょうか。
実際に「EW-M973A3T」を使ってみたら、いろいろな良さを発見できたので最後にそちらをご紹介したいと思います。
プリンター「EW-M973A3T」のここがすごい
まず現物を見て驚きました。最近のプリンターは、こんなにコンパクトになったということ。(私のプリンターは古いので、ごっつい)
実際に触ってみて感じたことをお伝えしていきます!
複数トレイ
「EW-M973A3T」にはトレイが三つ(四つ)もあります。実はこれってかなり便利。
というのも、撮った写真を光沢紙やマット紙など、色々な種類の紙で印刷するときに、トレイが複数あるといちいち紙を抜き差ししなくてもよいのです。何度もプリントすることが大事なことを考えると、これは本当に嬉しいポイントです。
ライトがついている
排紙トレイにライト(ダウンライトLED)が!「EW-M973A3T」では、写真がプリンターから出てくるところに、ライトがついてるんです!
色をしっかりと見ることができるのでこれも便利なポイントですね。
印刷コストが安い
これは先ほどもお伝えしましたが、エコタンクが搭載されている「EW-M973A3T」は、印刷コストがとても安くなっています。
数々の高機能
「EW-M973A3T」では両面印刷ができるので、印刷の幅も広がります。もちろんコピーやスキャンもできるので、生活や仕事の際にも便利ですよね。
さらに!サイズもA3ノビまで印刷できる(小さいわりに、すごい!)ので、写真展でも活躍してくれることでしょう。プリントもとても美しいので、こんな感じで自宅で写真展を開いてみてもいいかも?
写真プリントで知っておきたいことまとめ
- ウェブ上のメディア(写真)は環境で見え方が変わる
- 写真プリントは状況を同じものにすれば自分が見えているものそのままに見せられる
- インクは6色以上使えるプリンターが良い
- 紙の種類によって透明感・光・コントラストなど写真の見え方が変わる
- ブラックインク2種類とグレーインクが入っているプリンターだとモノクロ表現が綺麗
- 気軽な写真集プレゼントに「ぱち」がおすすめ
- 写真印刷上達の道はとにかく刷る
- EW-M973A3Tは印刷コストが低く試し刷りができて良い
- サイズはA3ノビまで対応しているプリンターが便利
こんな方には特に写真プリントがおすすめ!
ということで、「EW-M973A3T」は、もっと気軽にプリントを楽しんでみたい!という方にも良いですし、さらに踏み込みたい方にも選択肢にいれてみてもらえたらと思います。
写真プリントでポートフォリオを作りたい方
写真展でプリントを作りたい人や、ポートフォリオの写真を作りたい人にも、自信を持ってオススメすることができます。
モニターキャリブレーションしている方
また、キャリブレーションされている方は、より色にシビアになると思いますので、「EW-M973A3T」をぜひお試しいただければと思います。確実にクオリティが上がると思いますよ。
写真印刷での表現を楽しもう!
SNSや電子写真集など、ウェブメディアが中心に移りつつある時代ですが、写真集や写真展など、紙メディアで表現することはきっとなくならないと思いますし、憧れがある人も多いと思います。
プリンターを買って、自分の写真をいろんな紙に印刷してみて、ぜひ表現の海に飛び込んでみてください!