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米国 Walt Disney Company、 National Geographicとフォトグラファー契約を結び、
世界を旅してまだ見ぬ風景を求め撮影を行っている。 受賞歴にはNational Geographic
Travel Photo Contest People’ 世界2位。 International Photography Awardプロ部 門
Nature’ 世界2位、 Tokyo International Foto Awards プロ部門 `People’ Gold
受賞 など国内外のコンテストで多数の賞を得ている。 多くの企業から依頼を受け写真を提
供すると共に、 国内外の新聞・書籍・雑誌など多くのメディアで活躍している。 元プロス
ノーボーダーという異色の経歴を持つフォトグラファー。
7つのキーワード
被写体
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自分が最も楽しくワクワクする被写体は、自然の力や雄大さを感じることのできる自然風景。人や都市風景なども撮影しますが、長い年月を経て作り出された山や川・崖や滝などの自然が一番魅力的だと感じます。改めて考えてみると、フォトグラファーになる前に経験したプロスノーボーダーという職業が大きく影響していると思います。スノーボードは自然環境に大きく左右されるスポーツで、自然なしでは滑ることすらできません。この時、「自然を大切にしなければ、守らなければ」という気持ちが生まれ、自然に興味を持つようになったと思います。
機材
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撮影の際に必ず持っていくのはSONY a7R3とOLYMPUSOMD E-M1です。レンズはSONY 16ー35GM・Rokinon 14SP f2.4など、主に広角域を使っています。SONY a7R3はダイナミックレンジの広さが魅力で、繊細な描写・写真現像を可能にしてくれます。OLYMPUS OMD E-M1mark3は強力な防塵防滴性能のおかげで、雨などの過酷な状況下でも撮影できるので風景写真を撮る際に便利ですね。この2つはハイレゾショット機能もあり、自然風景の撮影で繊細な描写を写し取るために欠かせません。他にも、想像もしないような面白い写真が撮れることがあるので、RIOCH Thetaも常に持ち歩くようにしています。サブ機にOLYMPUS Pen-fを所有していて、海外でスナップ撮影を行う時によく使います。あとはDJIのDrone3台を撮影地によって持って行くものを変え、空からの写真や動画撮影も行っています。
カメラ以外に必須なのが三脚。自然風景を主な被写体としていると木々の葉一枚一枚、草原の草花などの小さなものまでブレのない繊細な写真をメーカーから要求されることがあります。そのような写真は三脚なしでは撮れません。仕事案件でなくとも、普段から三脚を使用し、撮影後は等倍にまで拡大しチェックしています。これを癖づけておけばメーカーからの撮影案件も難無くこなせます。
自宅での欠かせないアイテムといえば、大容量のデータ保存ができるNAS。写真を撮るのが仕事であるため大容量の保存先が必要となるのは当然なのですが、NASを使用することで海外撮影中でも自宅のNASからデータを取り出せるので、自宅にいるのと変わらず仕事が行えます。
理由
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小さな頃から見知らぬ場所に行くことや、ずっと続く道の先に何があるのかを知るのが好きでした。小学生の時は毎日のように山の中の獣道を辿り、どこに行きつくのか調べたりしていました。猪が土を掘って食べ物を探している跡を見ると怖くなったり、実際に熊を見かけて慌てて逃げたりした事もありました。それでもやめられず、見たことのない場所を求めて遊んでいたのを覚えています。そして、その時の気持ちと今も全く変わっていません。カメラという強力なアイテムを手に入れた事でよりその気持ちは強くなり、世界中のまだ見たことのない景色を命尽きるまで見てやろうと思っています。
理想
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理想の写真家……。いつになったらなれるのかわかりません。自分の理想は、自分自身がしっかりと私の写真はこれだとはっきり言えるスタイル・個性を作り出すことです。かなり贅沢な理想ですし、各分野の方に怒られそうですが、風景・ポートレート・建築などそういったジャンルに縛られることなく、全てにおいて自分のスタイルで自由に表現できる写真家になりたいと考えています。
スノーボードでは割と早くにスタイルの確立ができたのですが、写真では自分のスタイルを見つけるのがなかなか難しく、今だに彷徨っています。海外の有名な方々から知識を分けていただいているのですが、広がれば広がるほど余計に迷走してしまいます。撮影するジャンルも、大好きな風景ばかり撮影してしまいますし、なかなか理想の写真家像には近づけていないのが現状です。しかし、自分のスタイルを見つけ理想の写真家になります。
発信
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自分にとってSNSはとても大きな存在です。本来であれば、いろんな人たちに写真を見てもらうにはプリントして、会場を借り、その会場に足を運んでもらわなければ見てもらえません。しかし、SNSでの発信はお金もかからず不特定多数の方に見てもらえます。自分が感動した風景をしていろんな人に見てもらえるのはとても嬉しいことですね。撮影することとその写真を発信することは自分にとってイコールなので、多くの人に発信できるSNSは非常にありがたいです。現像が追いつかず発信することなく埋もれてしまっている写真も多くありますが、時間ができれば世に出すようにしています。
自分の活動もSNSがなければ今とは大きく変わっていたと思います。SNSのおかげで自宅にいながら多くの写真を見ることができ、日本だけでなく世界中の有名な写真家の作品が簡単に見られるようになりました。今ある撮影や現像の技術も、SNSにあげられた写真を見てどのように撮影しているのかを考えることで手に入れることができました。今の写真家としての自分も、SNSに投稿した写真を見てくれていたポルトガル在住のアーティストが背中を押してくれたのがきっかけです。SNSがなければ今のように海外へ行って撮影するスタイルもなかったかもしれません。
仕事
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これまでに何度かしか経験してないのですが、コーディネーターや動画班などロケ隊を組んでの撮影をもっとしたいです。特にコーディネーターをつけての海外での撮影は、その地域の歴史や習慣など撮影以外のことが学べて、一人で行くよりも得るものが多く勉強になりました。あと、「こういったものを撮ってきてほしい」というミッションのようなお題がいくつもあり、それを確実にこなす撮影スタイルもとても向いていると感じています。自分の撮影技術も上がるので、このような仕事もどんどん受けたいです。あとは、理想の写真家に近づくためにも撮影ジャンルにかかわらずいろんな撮影をこなせるようになりたいので、ポートレートなど風景以外のジャンルにも挑戦したいですね。
未来
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実は撮影時は必ずタイムラプスや動画の撮影もしています。しかし、時間が足りず手をつけられるのはタイムラプス動画のみで、毎回動画作成は後回しになっています。気がつけば録り溜めてきた動画もかなりの数になっているので、いずれは1つの動画として世に発信していきたいですね。これからは写真だけでなく、動画でも美しい物を発信していけたらと考えています。
藤原嘉騎氏 作品ギャラリー
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