どうもこんにちは、保井崇志(@_tuck4)です。
今回はストリートフォトグラフィーについて記事にしようということで、張り切っていきます。というのも、僕が写真を始めた頃に魅了された写真家は、ロバート・フランク氏、ウィリアム・クライン氏、森山大道氏、この3人の写真家たちでした。
もしご存じない方がいたら、ぜひそれぞれの名前を検索してみてください。最高にかっこいい写真がヒットしますので。では、この方たちに共通する点とは、主に街中(ストリート)で写真を撮っているということです。
もう少し振り返らせていただくと、2011年に大阪の国立国際美術館で、森山大道の「On The Road」という写真展がありました。これは僕の原点と言える写真展です。「こんな風に日常を切り取りたい」と、そんな風に思ったものです。
それまでは家族写真や何気ない風景(公園とか)がメインの被写体だったのですが、「On The Road」以降、毎日のように時間をみつけては、カメラを片手に大阪(梅田)の街へ出かけていました。
そんな僕がストリートスナップを撮り続けてきた中で、得たヒントを皆様に順を追って伝授していきます。もしかすると、読み終わった頃には「街に出たくなる」かもしれません。
ヒント1. 待つ
ストリートフォトグラフィーと聞くと常に街を歩き回って、絵になる様なシーンを探しては撮るというイメージをお持ちだと思うのですが、これは半分正解といったところです。
では、残りの半分は何かと言いますと、街の中にあるシンメトリー(左右対称)の風景や面白い壁を見つけては、シャッターチャンスが来るまでひたすら待つということです。
慣れてくると面白いシーンになることを、予測できるようになるので、先回りするために走ることもあります。これは嗅覚に近いものが必要なので、何度も街に出て経験を積んでみてください。
ヒント2. 上から見下ろしてみる
普段歩いている中で、なんてことない場所が、視点を変えてみると魅力的な光景に変わることもあります。手っ取り早いのが上から見下ろしてみるということです。
これを意識し始めてから、僕は街中に歩道橋などがあれば、「とりあえず上ってみる」という習性が身についてしまいました。
ヒント3. 下から見上げてみる
次に見上げてみましょう。ビルの谷間は絶好の撮影ポイントです。当然空が入ることになるので、ハイライトが飛ばないように露出を抑えるのもポイントのひとつです。
ヒント4. 光と影を見つける
光と影はストリートを撮る上で、街を魅力的に見せる最高のエッセンスです。
街中を歩くと光ばかりを追い求めそうになりますが、実は影の方が重要だったりします。
光だけあっても仕方ないってことなんですけど、このあたりのニュアンスが伝わりにくい所です。これも経験でしょうか。
ヒント5.寄ってみる
写真家のロバート・キャパの残した言葉で「君がいい写真を撮れないのは、あと半歩の踏み込みが足りないからだ」という名言があります。もうこの言葉がすべてを説明しています。
ヒント6.偶然性を逃さない
これも嗅覚が必要です。あとは運です。
撮影をする中で「なんでこのタイミングで、こんなカッコいい車が通るんでしょ!」なんてことを経験すると、街で写真を撮ることが楽しくなります。
ヒント7.リフレクション
リフレクションを撮る上で、雨上がりの街中なんてものは、もうご褒美だと思ってください。
ただ、水たまりを見つけるために下ばっかり見てて、通行人にぶつからないように気をつけてください。車のボンネットやショーウィンドウも、リフレクションポイントとしてとてもおすすめです。
ヒント8.ローアングル
これも他の項目に通じることなんですが、要は視点を変えてみるということが大事です。
ヒント9.動きをつける
カメラのシャッタースピードを遅くして、動きのある被写体と止まった被写体との対比をお見せします。流し撮りを経験すると楽しくてハマると思います。
カメラの設定はマニュアルモードか、シャッタースピードモードにして、流し撮りなら30分の1秒、人の流れに動きをつけるときは0.5秒を目安に撮影してみてください。
ただ、手ぶれ補正機能がついていないカメラだとちょっとキツいかなと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。いざ街中に出てみると周りの視線もあるし、なかなかカメラを構えられないかもしれません。
ストリートを撮る上での心構えとして
他人の顔を写さない 通行の邪魔をしない そしてなにより堂々とすることが大切です。
誰もがインターネットに写真を公開することができる世の中なので、そのぶん撮影のマナーが厳しく求められます。それでも僕は、街中で写真を撮るという行為には価値があると思います。
この記事の写真を通して、その価値を感じていただければ嬉しい限りです。
こちらは、RECO(2015年11月12日)に掲載された記事です。