こんにちは。Nana* (@necozalenky) です。
いつものテーブルフォトチュートリアルと平行して、これからスマートフォンテーブルフォトテクニックについてもいくつかご紹介していきたいと思います。一眼レフで撮るほどでもないような時に、サクッと撮影できるスマホカメラはとても便利ですよね。そんなスマホカメラを上手に活用してテーブルフォトを撮るためのコツをお伝えしていきます。しばらくの間、お付き合いいただけたら嬉しいです。
テーブルフォトの敵、歪みとは何か
何気なく写真を撮ったら「被写体の形が歪んで写ってしまった」という経験はありませんか。この写真を見てみてください。少し不自然な感じがしませんか。これはパースの歪みによるものなんです。
広角レンズで起こりやすくなりますが、実はそれだけではありません。同じスマホで同じものを撮った写真がこちら。これは歪みが気になりません。
スライダーを動かして変化を見るとさらにわかりやすいですね。
それでは、もう一枚写真を見てみましょう。
器の形が歪んで写っています。パースによる歪みに加えて、歪曲収差(ディストーション)による影響もあるように思えます。
ポートレートは人物が被写体ですが、何か意図がなければ、人の顔を歪ませて撮るような撮り方はしませんよね。同様に、テーブルフォトでも、被写体の形を自然に見えるように写すことが大切だと思います。
歪まないように撮るコツ
撮影距離
歪まないように撮るにはちょっとしたコツが必要です。何よりも大事なのが撮影距離。テーブルフォトは被写体につい寄りたくなりがちですが、広角レンズはただでさえパースがつきやすく、撮影距離が近いほどパースが強調されるので、被写体から少し離れて撮影することが大切です。先程の歪みのある(1)は被写体に寄って撮影しているので、カメラに近い方が引き伸ばされたようにパースが強調されて写っています。それに対し、歪みの少ない(2)は少し離れたところから撮影し、周囲をトリミングしています。また収差が出やすい周辺部に被写体を配置しないことで、歪曲収差による歪みも抑えることができます。
ちなみに、ズーム機能を使っては?と思う方がいるかもしれませんが、スマホカメラのズーム機能はモデルによってはデジタルズームになり、その処理により画質が劣化する可能性があります。光学ズームではなくデジタルズームになってしまうようなモデルの場合には、ズーム機能は使わないで撮りましょう。
光学ズームとは:複数のレンズで焦点距離を変えているズーム機能
デジタルズームとは:写真の一部を切り取って補完拡大する機能
レンズの位置
レンズはスマホのどこに付いていますか。真ん中に付いていれば良いですが、左右どちらかに付いている場合には、レンズの位置によって歪みが強調されてしまう場合があります。今回は、右側にレンズのついたスマホを使用し撮影を行いました。(3)はこの図のように被写体の右上から撮影しています。
一方(4)は反対側の左上から撮影しています。
左上から撮影した(4)は(3)よりも、被写体から少し距離をとって撮影していますが、レンズの位置が左右どちらかに偏っている場合、スマホの位置を変えるだけでも写り方は変わるので、外食などで引いて撮れないような場合には、スマホの方向を変え歪まない方向を探して撮影してみましょう。
左上から撮影した(4)をトリミングして、色味を整えたのがこの写真です。右側から撮った(3)と比べると、パースによる歪みも改善されたように見えます。
望遠側やポートレートモードなどで撮る
この写真は、iPhoneの広角側のレンズで撮影したもの。手前のトレイに比べて、後ろのカップ&ソーサーが随分小さく写っています。トースト自体を見ても、台形のような形に写っていて、パースが強調されているのが分かります。
それに対してこちらは背景をぼかす機能(ポートレートモードなど)、望遠レンズ機能を使って撮影したものになります。デュアルカメラ搭載のモデルならば、複数のレンズを使ってデジタル合成し、1枚の写真に仕上げる機能を利用して撮影すると、広角レンズを使用するよりも被写体の形が自然に写ります。また背景をボカすことで見せたいものを引き立たせること効果も期待できます。また望遠レンズが搭載されたモデルならば、望遠側で撮影すると、歪みの少ない自然な形に写すことができます。
デュアルカメラ:2つのカメラを搭載することで画質の向上、画角や立体感を補うことができる
※機種によってはレンズを状況に応じて自動で切り替えるものがあり、望遠で撮っているつもりが広角レンズのデジタルズームで撮影している場合もあります。
まとめ
- 被写体から離れて撮影する
- 収差が出やすい周辺部に被写体を配置しない
- スマホのレンズの位置に気を付ける
- 被写体に対し、色々な方向からスマホを向けてみて、歪みが少なく見える位置から撮影する
- レンズが複数搭載されているモデルの場合は、ポートレートモードや望遠レンズ機能などを使う
いかがでしたでしょうか。
テーブルフォトでは被写体の形を綺麗に写すために、歪まないように撮ることを意識してみましょう。歪みを確かめるには、角が丸いものや小さい被写体だと違いが分かりにくいかもしれません。ノートのような、四角くて大きなものを写すと分かりやすいと思います。ぜひお試しください。