プロフィール
1985年京都在住のフォトグラファー。 美容師、和食料理人、バリスタ、珈琲焙煎士など様々な職業を経験してきた異色の経歴を持ち、Lightroomのオリジナルプリセットは世界的に人気を博す。それぞれの職業で培った感性と類い稀ないセンスと器用さを武器に様々な瞬間を自分の色にして表現し、SNSで多くの共感を生む作品をアウトプットしている。モデル撮影や広告写真、旅写真、講師活動、SNSプロデュース、レザーブランドのデザイン、インフルエンサーとしてなど様々な分野で活躍している。2020年3月に開設したコミュニティサロン「しんやとよーへい」は1ヶ月を経たずして290人を突破。
7つのキーワード
被写体
被写体は主に人物が多いですね。風景やスナップも好きなんですが、モデルさんを撮影するのが一番テンションが上がります(笑)理由としては、そもそも「人」が好きというところにあると思います。前職がカフェの店長でバリスタをしていたのですが、毎日違うお客さんが来て喋ったりするのが好きだったんですよね。その人の好みを知って、コーヒーや料理をお勧めして喜んでもらったり、雑談したり。そういうところに楽しみを感じていました。
もっと遡ると美容師もしていましたね。お客さんを美しくして、喜んでもらって、そのお客さんが街を歩く。自分の作品が街で動いているような気持ちでした。その時から作品を人に見てもらうというのも喜びの一つでした。今もSNSという媒体でその満足を得ているんだと思います。少し話が逸れましたが、今までの職業で感じていた喜びが人が好き、人を美しくしたい、人を喜ばせたいというところだったので、そこは今も変わっていないですね。そうすると「人を撮る」というところに行き着くのは必然なのかなと今となっては思います。
機材
持っているカメラはNikon Z7、sony α7Rⅲ、Leica M10です。仕事、作品撮り、風景などほとんどの撮影でNikon Z7、sony α7Rⅲを使っています。Nikonの場合は主に純正のレンズですが、sonyの場合はSIGMAのレンズを使うことが多いですね。あ、でも最近Z7でもマウントアダプターを介して、TAMRONの35mm f1.4 SPも使うようになりました。
あとLeica M10ですが、もうこれは自分の中でオフカメラにしていて、仕事とか考えないで好きにスナップしています。
Leicaは癒しと心地よさを与えてくれるし、やっぱ写真好きだなーって再認識させてくれます(笑)
ちょっと外れているかもしれませんが、モデルさんを撮影する時に撮影前のコミュニケーションはとても大切にしています。できるだけ初めまして、さあ撮影!というのは避けるようにしています。相手を知って、自分も知ってもらった上での撮影である方が自分の納得いく写真が撮れますから。仕事で時間が限られていて、どうしようもない時でも最初15分から30分は空シャッターのような感じで撮影しながら、しゃべりをメインに頭を置いて、全力でコミュニケーションをとっていきます。ある程度してお互いがほぐれてきたら、撮影の方に意識を戻すって感じですね。それすらもできたら外したいところではありますが(笑)リアルで知り合ってから撮影という順番や撮影前にお茶したりして、その人をもっと知ってから撮ることが理想です。
理由
ある意味、写真ってスポーツのようなものだと思っているんです。自分に合った道具を揃えて、勉強して、練習して。何かを成し遂げたときや試合に勝ったときの快感が忘れられないほど気持ち良くて、また勉強して、練習して…。そんな感じで写真も自分に合った機材を揃えて、勉強して、練習して。それを繰り返していると、自分の想像の100%を超えた1枚が撮れることがあって、その快感が忘れられなくてまた写真を撮る。でもそれになかなか出会えなかったりする時期もあるから、また試行錯誤して。それで、また想像を超えた120%の作品ができて、快感を味わう。っていう繰り返し。多分あの快感を一度味わったらやめられないですよね(笑)
あと写真っていうツールからの人との繋がりが大きいです。やっぱり人が好きなので、写真をやってるってだけで老若男女、職業問わず広がっていくコミュニティもやめられない理由の一つでもあると思います。そういう考えもあったので最近は自分発信でコミュニティサロンも開設しました。
理想
理想の写真家であり続けるためにも、写真以外でも幅広くセンスを磨き続けるということは意識しています。カメラの技術や勉強はもちろんなのですが、いわゆるセンス、感覚や感性みたいな自分らしさに繋がる部分はそれ以外で身につけていると思っていて。ボクは今まで美容や料理、バリスタ、趣味の音楽やファッション、家具や陶器などいろんなことを好きで調べたり学んだりしてきました。そういう写真以外のところから得たものを自分のものとして消化し、写真に反映することで自分らしい写真が仕上がると考えています。なので写真以外の余暇も大切に全力で楽しむことを忘れないようにしています。
珈琲の焙煎士をしていた時に聞いた話でとても響いて、今でも大事にしていることがあって。京都にある今でも行列ができるぐらい人気な老舗の喫茶店がありまして。「ここのコーヒーはずっと変わらない味で美味しいんだよね。」って昔からずーっと通ってるおばあちゃんから高校生くらいの若い子たちまで幅広く人気で。変わらない味でずっと人気ってすごいなーって思ったので興味が湧いて、そこの焙煎士さんと話をさせてもらったんです。そしたらその焙煎士さんが「ずっと変わらない味で美味しいね。って言ってもらうために時代に合わせて味を変えてるんだよ。わからないようにね。時代の流れに合わせて人の味覚も変わるからね。ちゃんと時代に合わせたここの味を作ることが変わらず美味しい味なんだよ」って言っていたのにすごい感動したんです。
今ボクは焙煎士じゃないですけど、この話は今のボクにも当てはまることだと思っています。「洋兵さんの写真は変わらずいい写真だね!面白いことやってるね!」って言ってもらうために変わり続けて成長し続けないとって。そうやって時代に合わせて自分は変わり続けて、周りからは「変わらずいい写真撮るねー、面白いことやってるねー」って言われ続ける写真家という職業名と言うよりも『澤村洋兵』であり続けることが理想です。
発信
発信なくして向上はないと思っているので、もし今SNSがなかったら写真自体をやっていなかったと思います。SNSは作品を老若男女、職業問わず見てもらえることとそんな色んな人と繋がれるというところが好きな部分としてあります。なので、元々の職業が美容師やバリスタであったのも、毎日違う様々なタイプのお客さんに会える仕事。お客さんに自分の作品を見てもらえる(ヘアスタイル、料理)といったところに喜びを感じていたからなので、写真に関してはSNSがなかったら、そこが弱いと感じてしまうのでやってなかっただろうなーって思います。
ボクにとって撮ることと発信することはほぼイコールなんですよ。だっていい写真撮れたらみんなに見て欲しいですもん(笑)「いい写真撮れてん!見てー!」「お!まじ!?めっちゃいいやん!!でも俺もいいのん撮れてん。」「お、まじか。やばいなこれ…」っていうのが大好きなんです(笑)
ただ、大切な人、恋人や友達とのただただ思い出を撮るという時だけはそれではなくなります。そういう時の撮り方ってめっちゃ雑だし、何も考えずに撮っていて。頭切れてたり構図ひどかったりブレブレだったり(笑)それが逆にリアルで思い出を引き出してくれるからそれで良くて。そもそも見せる気もないので現像し忘れてたり、でも「あ、そういやあの時撮ってたな」って感じで現像したら思い出が蘇ってきたり。そもそもの写真の使い方ってそれな気もしますが、本気で見せるための写真ばっかり撮ってると忘れちゃう時があるんですよね。それで入りすぎて、いい写真が撮れなくなってたりして。だからそういう写真も撮っています。力抜いてただ単純にあ、写真っていいな。って再認識するためにも。
仕事
今もやってることですが、写真というものを使って誰かの助けや人との繋がりができたらいいなと思っています。写真を学びたい人に技術や考えの提供や、地域活性化、みんなの毎日に楽しみをプラスできるようなコミュニティ作り。今は結構どれもできているのですが、もっとやりたい!って感じです。もう無理!やめてくれー!って言いたくなるほど、誰かに頼られるような存在になりたいです。
未来
今はずっとやりたかったコミュニティサロンを作ったばっかりなので、ひとまず達成したことの維持に全力を注いでいます。そこに安定ができてきたら、また何か挑戦したいことが浮かんでくるんだろうな、とも。なので、今のコミュニティサロンをもっと大きくしたいというのが挑戦であり、抱負になります。
サロンメンバーはめちゃめちゃ活発で向上心が高く、いい人ばっかりなコミュニティになっているので、皆さんがより楽しめるイベントを企画していきたいです。もっと大きくなれば大きい企画もできるし、もっと楽しませられる。コミュニティを成長させるために自分も成長していかなきゃな、と思っています。