ポートレート写真のレタッチって何から手をつけたらいいのかわからない…。そんな悩めるヒーコ編集部員が黒田明臣(@crypingraphy)氏に訪ねたところ、レタッチを効率的に進めることができる超かんたんテクニックを5つ教えてもらいました!!
というわけで今回は、黒田氏にテクニックと写真素材と背中を借りてチャレンジしていきます!本当にかんたんで効果大なので「レタッチをしたことない」という方も是非試してみてください!それではどうぞ♫
肌のコントラストを強調するテクニック
まず紹介するのが肌のコントラストを強調するテクニックです。難しく聞こえるかもしれませんが超かんたんなのでやってみましょう!
調整レイヤーから「トーンカーブ」を選択
レイヤータブから「調整レイヤー」→「トーンカーブ」を選択します。
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トーンカーブの中間域をクイッと下げる
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トーンカーブの設定画面が開くので、線の真ん中のあたりをクイッと下げます。はい、完成です。
完成です!
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Photoshopのレイヤーは好きな時に表示非表示が選択できるので、コントラストを調整するレイヤーを1つ作っておくととっても便利です!
場面によっては、他の調整レイヤーなどと組み合わせたりして、レタッチのポイントを見極めていきましょう。
黒田氏によるレタッチ後の作品がこちら!
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目に見えないレタッチポイントを見えるようにするテクニック
このテクニックは、暗い部分などの見えにくいレタッチポイントを見えやすくするテクニックです!ポートレートレタッチだけでなく、写真に写ってしまったゴミを取ったりする時にも便利なので是非覚えてみてください!
調整レイヤーから「トーンカーブ」を選択
先ほどと同じく「調整レイヤー」から「トーンカーブ」を選択します。
トーンカーブをジグザグに
次にトーンカーブにポイントをいくつか打ってジグザグの山を作ります。
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多ければ多いほどいいというわけでもなく、だいたい3〜4山くらいあればいいようです。
完成です!
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元画像では見えにくかった部分が奇抜なトーンカーブのおかげであぶり出されました!特に暗い部分がかなり見やすくなりましたね!
見つけたポイントは別レイヤーにメモしましょう
見つけたポイントはわかりやすくするために、上に別のレイヤーを重ねて、そのレイヤーにメモをしておくと便利です!
黒田氏によるレタッチ後の作品がこちら!
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白飛び・黒潰れの境界線を自由に設定するテクニック
次は写真の中の明るい部分(白飛び)と暗い部分(黒潰れ)にわかりやすく色をつけるテクニックです!
調整レイヤー「ベタ塗り」を2つ用意してそれぞれ違う色をつける
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レイヤータブから「調整レイヤー」→「ベタ塗り」を選択します。今回は明るい部分を赤色(#ff0000)に、暗い部分は青色(#0000ff)にしていきたいので、ベタ塗りレイヤーをそれぞれの色に設定します。
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レイヤー名はわかりやすくしましょう
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レイヤー名はわかりやすいように「白飛び」や「黒潰れ」、「High」や「Low」など名前を付けておくと吉。
レイヤースタイルを開く
用意したベタ塗りレイヤーを「ダブルクリック」または「右クリック」→「レイヤー効果」を選択すると、レイヤーに対する設定画面が表示されますので、ブレンド条件の「下になっているレイヤー」のスライダーに注目します。
境界線をスライダーで設定する
2つ作ったレイヤーのうち、「白飛び」の設定を例にしていきます。
スライダーの左側にある▲を右にずらしていくと、写真の明るい部分に赤色が残ります。
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「黒潰れ」の設定は逆に、スライダーの右側にある△を左にずらしていくことで、暗い部分に青色が残ります。
完成です!
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これで白飛びの範囲とした部分は赤色に、黒潰れの範囲とした部分は青色に表示されるようになりました!
境界線を決めたらトーンカーブなどで調整!
境界線を決めたら、赤い部分と青い部分を見つつトーンカーブなどで好きなように調整してしまいましょう!
黒田氏によるレタッチ後の作品がこちら!
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輝度で質感を確かめるテクニック
質感に注目したい時や、レタッチをしていて迷ってしまった時にオススメのテクニックです!
新規レイヤーを作成
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レイヤーを新規作成します。
レイヤーをグレーで塗りつぶし
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新規作成したレイヤーを選択した状態で「Shift」+「Delete」キーを同時押しすると塗りつぶし画面を呼び出せるので、そちらから「50%グレー」を選択すると楽ちんです!
描画モードを「カラー」に変更
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無事に完成したグレーのレイヤーの描画モードを「カラー」にします。
完成です!
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モノクロの世界で写真を見ることによって情報の整理ができ、質感などの再確認に役立ちます!
黒田氏によるレタッチ後の作品がこちら!
写真を色で判断するテクニック
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最後に、写真の色情報を抽出するテクニックです!
同じくグレーで塗りつぶしたレイヤーを召喚
先ほどと同じ要領でグレーに塗りつぶしたレイヤーを作成します。
描画モードを「輝度」に変更
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今度は、作成したグレーのレイヤーの描画モードを「輝度」にします。
完成です!
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色情報だけで写真を見るというのはなんとも不思議な感覚ですが、こうすることによって一度質感などを無視してフラットに写真を見ることができます!
黒田氏によるレタッチ後の作品がこちら!
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Photoshopかんたんレタッチテクニックまとめ
- コントラスト調整レイヤーがあると便利
- 目に見えない部分にも修正箇所はあるので注意
- 白飛び・黒潰れの境界線は自由に決めよう
- グレーのレイヤーはいろいろ使える
- モノクロで見ると質感がわかる
- 色だけをフラットに見るのも大切
いかがでしたでしょうか、やってみたら意外とかんたん!というテクニックが満載だったかと思います。これだけでも覚えておくとレタッチの手助けになってくれること間違いなしなので、是非覚えてみてください♫
さらに肌レタッチを極めたい人には動画をご用意!
今回のテクニックよりさらに深く、実践的な肌レタッチテクニックを軸に構成された、黒田明臣氏の肌レタッチセミナーを再収録したアーカイブ動画がついに発売!
肌のレタッチ。それはポートレート撮影における最大の難関といってもいいのかもしれません。いままで抱えていたポートレートのレタッチに関する悩みが一気に解決するものになっております。これまでのヒーコセミナーの中でも最大と思われる内容。
あなたのポートレートレタッチが一変するかも?
見逃してしまったかたや、もう一度見たいという方にもおすすめです。
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Easy way of Skin Retouching by Akiomi Kuroda
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講師はフォトグラファーの黒田明臣氏。