私がライカQを使わなくなった理由
実は一時期、日常でライカQを一切使わなくなりました。
出かけても、家や会社に置きっ放しのライカQ。その理由は、ライカQという小さいカメラでもなお重いと感じてしまったからです。
他にも、下記のような理由が原因でした。
- 日常を一眼レフで撮っていると容量が大きくてデータ管理が大変
- 他のフルサイズ機と比べて小さいが、それでも多少の重みがある
- 普通のポケットサイズには入らないサイズのため、首からさげるかカバンにしまわないといけない
- 首からカメラを下げている分、動きにくくなる
そんな理由で、ライカQを持たなくなったからといっても、写真はスマホやアクションカメラなどで気軽に撮っていました。
なにしろスマホでちゃんと撮ることもあまりなかったので、使ってみると意外とちゃんと撮ることができるしで「スマホでいいじゃん!」と、さらに「もうこれでいっか楽だし」という気持ちにもなっていました。
しかし、しばらくすると撮る写真に満足できなくなりました。というより「ああ、今ライカQがあったらもっと良いのが撮れるのに」という想いがどんどん沸き起こるようになり、感じていたデメリットよりも「ライカQで撮る」ことの真価を思い出した、というほうが近いかもしれません。
そして、私はまたライカQに戻ってきました。
今回は、改めて私が魅力を深く再認識したライカQの機能や使い心地についてを、ピックアップして書いていきたいと思います。
ライカQがまた好きになった3つの理由
ワンタッチのクロップ機能
最近ライカQを使っていてとても楽しいと感じるのが、クロップ機能です。
ライカQは28mm単焦点レンズが付いていますが、35mm相当(1.25倍)と50mm相当(約1.8倍)にカメラ上でクロップすることが可能です。1つのボタンを押すだけでどれくらいクロップするかを簡単に切り替えられるため、わざわざ設定ボタンを押して…ということをせず、撮りながらぽちっと押すとクロップが適応されるのです。
そうすると液晶で見る写真はクロップされるわけですが、ちゃんと28mmで撮影した元データも残っているので、PCで取り込んでから28mmの画角に戻したり、好きに調整が可能です。
ポートレート撮影で大活躍!
声を大にして言いたいのが「あとで現像時にクロップする前提」で撮るより撮ってるときにクロップされてるほうが断然いいということです。
以前は、PC上で調整すればいいと思ってライカQのクロップ機能を使っていなかったのですが、使ってみると大違いでした…。本当にもっと早く使っておけばよかった。色々と利点はあるのですが、まずテンションが全然違います(笑)
それは、完成に近いものが最初から見えてるほうが、確実な手応えが撮った瞬間にあるからなんだと思います。
また人を撮っている時なんかは「PC上でクロップするので、もっと寄る感じになるんですけど…」とかいいながら手でクロップして見えなくる範囲を説明したりして、いちいち写っている人に伝えたりもしていました。ですが、すでに撮影時にクロップされていると見せる際に説明もせず完成時の画角が共有することができて、とってもナイスなんです。見せられたほうも、完成に近いものを見ることができて良いと思いますし。私はそれがあって、クロップ機能を使うことで人に撮った写真を液晶で見せやすくなりました。
カフェスナップでも大活躍!
カフェでスナップ写真を撮る時なんかにも、クロップ機能は効果絶大です。28mmという広角レンズだと、端の歪みが気になったり、広く撮れすぎて余計なものが入りすぎたりするもの。
そこでクロップ機能が活躍します。
撮っている時に、「これこれ!」という気分になれて、とっても気持ちがいいです。その気持ちの変化から、撮る枚数も増えますし、まず「撮りたい!」という想いがどんどん沸き起こってきます。
実質ズームレンズと変わらないような気持ち(しかもそれよりワンタッチで画角を変えられるので画角の切り替えがスムーズ)でいたりします。といっても実際は28mmで撮ったままのものを表示を変えているだけなので、ズームレンズとは別物ではありますが。
画素数について
では、実際28mmで撮ったままのものをクロップしているということは、その分画質が荒くなるんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。
画素数は標準で2,400万画素、クロップした場合35mm相当が約1,500万画素、50mm相当は約800万画素。これは十分実用的な画素数らしいです。とはいっても私はこの大きな数字の価値がよく分かっていないのですが…SNSで気軽にアップしている私個人として全く問題を感じたことはありません。
その場の空気を崩さないシャッター音
友達と遊んでる時にふと写真を撮ったり、ちょっと隠し撮りみたいなことをしたい時。ライカQでシャッターを押すと「カタッ」と小さいかすかな音がなるだけ。これが、私にはとても心地の良い「日常で写真を撮る」という行為との適切な距離感に感じます。そのままの温度感で、ぱっと撮れるのはとっても大きい。いわずもがな、それが絵的に良く撮れるということも含めて。
しかも、ポケットにはギリギリ入らないサイズのため、首からかけているのですが、そうすることで気軽に写真を撮ることにも繋がり、パッと撮ることができます。これは最初にデメリットとして挙げた「首からカメラを下げている分、動きにくくなる」ものと真反対のことですが、良いこと・悪いことは背中合わせであり、どちらを選択するかなんだなと今は思っています。
撮って出しが良いから、現像が楽
ライカQで撮ったスナップ写真は、ほとんど何秒くらいの単位でしか一枚に時間をかけません。なんなら、Lightroom上でひとつ「プリセットこれでいこう」となったらそれをコピーアンドペーストして全部にあてはめてJpegに書き出し、終了ということも少なくありません。
これが、自分が普段撮っているスナップ写真の現像前と現像後の変化です。
ここまでもせず、ただJpegに書き出してそのまま公開するものもあります。スナップ写真は量が多いので、そのまま出せるようなものが撮れるのは本当にありがたいと感じます。不思議なんですが、撮った瞬間にOKと思えるものが多いんですよね。他のカメラだと現像であとはこうしようとか、完成の写真は少し遠いことが多いのですが、ライカQははまるものが多い。色や、コントラストが特にそう思います。
正確に現像した場合は、他のカメラと変わらないようにもできるのかもしれないですが、自分の場合スナップ写真はなるべく時間をかけずに現像を終わらせたいので、なにも調整しないでもSNSなどに出せるのはとってもありがたいです。
きっと「今が一番ライカQが好き」を更新し続ける
作品撮りでも活躍
今回はスナップのことにフォーカスしましたが、作品撮りでモデル・ヘアメイク・場所などがっちりと決めて撮影する時にも、ライカQは大活躍しています。といっても、基本的に作品撮りの時や仕事の撮影時は他のフルサイズ機カメラを使用することが多く、サブカメラ的に数枚ライカQでも撮るようにしています。ですが不思議なことに、セレクトの段階でお気に入りの一枚がライカQで撮ったものであることは多いのです。
ライカQには噛めば噛むほど好きになる「するめ的な魅力」が溢れていて、購入して早3年と少しが経つ今なお、一層好きになっています。
なんとなく、きっと「今が一番ライカQが好き」を更新し続けるだろうな、と感じます。
ライカQで最近撮影したスナップ写真ギャラリー
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