富久浩二(@tomhati)氏から雪撮影のテクニックを取材し、その内容を富久浩二氏の写真と共にヒーコ編集部としてすーちゃん(@iamnildotcom)がまとめました。今すぐ雪が撮りたくなること間違いなし!暖かい格好をしてお読みください。
はじめに
まずは、雪撮影を始める前に押さえておくと良いポイントをご紹介!
シャッタースピードが肝
雪の写真はまず、雪の粒を「流す」か「止めるか」で印象がかなり変わるそうです。そのため富久浩二氏(以下、富久氏)はISOは気にせずに、シャッタースピードを優先にすることが多いだとか。
- シャッタースピードを遅くすると、雪の粒が流れる
- シャッタースピードを速くすると、雪の粒が止まる
雪を流すか止める、こういう観点があったとは!雪を撮る設定の基準となりそうです!
明るい単焦点レンズが良い
富久氏曰く、雪撮影はなるべく明るいレンズ(F値が低いレンズ)が良いとの事。画角で言うとできれば、28mm、50mm、200mmの三本があると間違いなしらしいです!
- ボケが大きければ大きいほど(F値が低いほど)写真に写る雪の粒は大きくなる
富久氏といえば超広角レンズを使っているイメージが強いのですが…雪撮影に限っては、雪の粒が分からなくなるので不向きみたいです。
雪が降るという事は、厚く雲が覆っているという事になりますし、光が足りない場合もありそうですし、明るいレンズである事に越したことは無さそうですね!
防寒対策
もしかしたら一番大事かもしれない、防寒対策!特に足元が大事との事です。つま先が冷たくなると集中力が持たなくなるので、アキレス腱のところに張るカイロが効果的らしいです。
雪撮影テクニックをご紹介!
雪にピントを合わせる
一つ目のテクニックは、雪にピントを合わせる事!そ、その発想があったのか…!雪を前ボケに使うテクニックはよく見ますが、雪にピントを合わせるとこんな繊細な印象になるとは!背景がボケて、不思議な世界観が生まれていますね。
ちなみにこの写真は、朝の通勤時に雪がどうしても気になって、遅刻してもいいやと途中下車して撮った1枚だそうです。雪への情熱が半端じゃない。58mm / F1.4のオールドレンズでの撮影だそう。
偶然から生まれた1枚
実は雪にピントを合わせるというテクニックは、カメラ初心者の頃にほぼまぐれで撮れたものがきっかけだったとか!
家に帰ってデータを見ていたら上の写真があり、「これは!」と着想を得て雪にピントを合わせるのが良いという考えになったようです。偶然の一枚が、その後の作風にも生きたんですね!まずは撮る、という事の大切さが伺えます。
俯瞰できる場所を探す
次のテクニックは、俯瞰で撮る事!白い雪の上に足跡などの痕跡が黒く残っていて、まるで模様のようです。白いキャンパスに、人間が残した痕跡がありありと浮かぶ様に美しさすら感じます。シンプルな背景や、横断歩道のような規則的な柄が、より雪が映えるポイントでもあるのでしょう。傘を持っている人が画面に入り込む事で、何かストーリーを感じさせるような絵になっていますね!
電車の中からも撮れちゃう
なんと、電車からも意外と良い絵が撮れるらしい…!この一連の写真は大雪警報が出て、これから電車が止まるかもという時に中央線の走ってる電車の中から撮影したものだそうです。次々現れるいい瞬間にシャッターが止まらなかったとか。勿論他の乗車している方の迷惑にならないようには大前提ですが、いつ何時、良い風景が来るかわからないもの。見逃さないでいたいものですね!
裏エピソード
裏話ですが、
「お恥ずかしい話ですが、本屋さんの写真集コーナーで平積みしてあった写真集が、自分が撮った赤い傘の雪写真(上記の写真)と似ていると手に取ったら見たら、ソールライターって有名な写真家の写真集でした(笑) 昔フィルムでこれを撮ったソールライター、今では尊敬する写真家です」
というエピソードも!本屋で見かけた人もいるのではないでしょうか?昔の人は偉大だなと感じる瞬間ですね^^
望遠レンズで雪の圧縮効果
望遠レンズで撮影すると、雪の圧縮効果がみられるらしい!富久氏は雪が降ったらこの場所が良くなるかなって場所を普段から探しているらしく、この上の写真がまさに想像していた通りのものが撮れたそう。純粋にすごい。普段からイメージトレーニングをして本番に備えてるからこそ狙えた一枚なんでしょうね!
望遠レンズで撮影するコツは、一直線の道を狙う事。奥行きがあるほど、雪の圧縮効果が狙えるそうです!技あり!!
圧縮効果とは?
望遠レンズを使って、見通しの良い所で撮影すればぱらぱらな雪でも圧縮効果を使って密度を上げる事ができ、沢山降っているように演出できるとか!雪を多く見せるとか、最早マジシャンなのではないかとすら思えてきました。
広角で撮る時のコツ
テクニックが止まらない、次は広角で広めに撮る時のコツ!広めに切り取る際は大きな壁が背景にあると効果的だそうです!また、暗い背景である事も、雪を際立たせています。
良い場所を見つける→後は良い所に人が来たりするのを待つ、という流れが基本になりそうです!
近所に良いスポットは隠れてる
雪が降って、東京駅や都心などで撮りたい気持ちも出てくる方は多いかと思います。ですが、突然雪が降ってきた!なんて時も少なくないでしょう。そんな時に、意外と近所で撮るのもオススメ!普段見慣れた光景が一変し、違った世界が見えて面白いのだそう。
しかも知っている場所なら、だいたいどんなものがあるかも分かるし、冷静に切り取ることができそうですね!雪ありと雪なしのBefore Afterで撮っても楽しそうです^^
まとめ
- 雪を流すか止めるかで、シャッタースピードを変える
- シャッタースピードを遅くすると、雪の粒が流れる
- シャッタースピードを速くすると、雪の粒が止まる
- 明るい(F値が低い)レンズがベスト
- ボケが大きければ大きいほど(F値が低いほど)写真に写る雪の粒は大きくなる
- 防寒対策は足元が大事!
- 雪にピントを合わせると不思議な雰囲気になる
- 偶然から良い写真が生まれる事もあるから、シャッターを切り続けることは大事
- 俯瞰できる場所を探そう
- 望遠レンズで撮影すると雪の圧縮効果で、沢山降っているように見える
- 広角で撮る際は広い近所にも隠れてたいいポイントがあるかも?
最後に
雪の凄い写真ばかりでしたね!雪が多く見えるように撮る方法があったとは驚きです。ただ…自分だったら、「寒さ」と「良い写真」、天秤にかけるとコタツを選んでしまいそうです(笑) なにはともあれ「今すぐに試したい!」というテクニックばかりでしたね!あとは雪が降れば完璧です。富久氏のように肌身離さずカメラを持ち歩くことが、雪を撮る第一歩になるかもしれませんね。
それでは。