東京都在住、2級建築士。
iPhoneで撮影することに魅了され写真の世界に入り込み、2017年にはapple社の“shot on iPhone”キャンペーンに採用され世界25ヶ国 のビルボード広告として掲載される。建築設計事務所での実務経験経て、現在はフリーランスフォトグラファーとして活動中。
7つのキーワード
被写体
都市風景、そしてそれらを構成する建築、交通、人々や何気なく路上に置かれた鉢植えや壁のポスター、壁に這うように設置されている配管など被写体は多岐にわたります。
佐賀県の山間部で生まれ育ったこともあり、都会への憧れをずっと持っていました。大学卒業後に暮らし始めた東京の街にある、あらゆるものが新鮮で刺激的に見えたので目に映るもの全てが自然と被写体となりました。
iPhoneで写真を撮り始めた当初、建築の専門学校に通っていたので建築や都市風景を撮ることが自ずと多くなりました。図面を描く際に計画するもの以外を描くことがない様に、写真でもその感覚を持って撮影しています。平行垂直やスケール感に対する意識も建築由来です。
機材
メインのカメラは高画素で建物のディテールなどもしっかり表現できるSony α7RⅣを使用しています。
街中をひたすら歩きながら撮ることが多いので、望遠レンズはコンパクトで軽いTAMURONの70-180mm F2.8を使用しています。ストリートスナップでは SONYの28mm f2.0や、少し重くなってしまいますがSIGMAの35mm F1.4 Artもよく使用しています。また、ポートレート撮影ではSONYの55mm F1.8を使うことが多いです。
フィルターを使用して撮影することもあり、写真に少しアナログ感を出したい時は、光を拡散させつつ独特の色味を出してくれるTOKYO GRAPHERのOPF550-LやOPF650-L、反射をコントロールする時はRF-CPLを使うことが多いです。
その他に飛び道具的にPRISM LENS FXのLinear Prism FX Filter、マクロ撮影にKenkoのクローズアップレンズフィルターを使っています。
写真を始めたきっかけでもあるiPhoneでも撮影しています。iPhoneは壁の写真を撮影するときに、壁と正対して平行垂直がしっかりと揃った撮影ができるので重宝しています。ストリートスナップでも起動から撮影まで時間が掛からないので、逃してしまいがちな貴重なシーンも撮影することができます。そのため、電話よりもカメラとして使うことの方が多いです。
それと時々、撮る行為を楽しむために中判フィルムのFUJI GW690 Ⅲを使ったりします。1本のフィルムで8枚しか撮影できないので、一枚入魂の精神を身に付けるための訓練にもなってます。
理由
幼い時から収集癖の様なものがあり、ガシャポンやカードダスなど興味を持ったものを集めることが好きで、ついついお金を使い過ぎて怒られたこともありました。
高校生から大学生の時は収録曲が同じなのにジャケットが違ったり、ボーナストラックが入った輸入盤やギターのエフェクターを集めていました。写真も他の人は見向きもしない、興味なんて湧かなそうなものでもポケットに入れて持ち帰り、宝箱にいれる様に収集する感覚で撮っています。
ですから、写真はデータであり、作品であり、資産でもあるということです。
理想
これまでは書籍やカタログに写真を使って頂いたり、プリント販売をする機会があったので将来的にはギャラリーで展示販売ができる写真家になるのが目標です。生涯を通して収集してきたコレクションが流転しながら、末長く誰かの手元にあり続ける写真を残すことが人生を通したビジョンです。
アートとしての写真の評価をしてもらうには、まずは自分がアートを理解する必要があるので西洋美術史、現代美術史、そして写真史について少しずつ勉強をしています。
発信
僕の場合、収集した写真でこっそり自分だけで楽しんでいるものもたくさんあるので、撮影することと発信することは必ずしもイコールではありません。
もともとinstagramをきっかけに写真を始めたのでSNSで定番の構図の写真や、その時に流行った撮影編集方法を取り入れたこともありましたが、根本にはまだ誰も気づいていない面白い場所やアングルを探し回って撮影することに楽しみを感じていたので、その経験が今の撮影に活きてきていると思います。
そもそも現在の自分がいるのはSNSの存在のおかげであり、SNSを主戦場にしてきたからなので、今後も変わらずSNSでの発信は続けていきます。
それとは別の領域で、例えばプリントアウトしての展示など新しい発信にも挑戦していきたいです。
仕事
大学時代にバンドをやっていたことや、以前ライブ写真やCDジャケットの撮影とデザインをしたことがあるので音楽関係の仕事をまたやりたいです。また、建築士でもあるので建築やインテリア関係の仕事もやっていきたいです。
未来
これまでの収集としての写真を続けつつ、より表現としての写真にも力を入れていこうとしています。
バンドで曲を作ったり、建築では設計実務に携わっていて自分がイメージするものを形にすることには慣れているので、今後は写真でもイメージの具現化を積極的にやっていこうと思います。
理想としては撮影、メイク、スタイリスト、ディレクター等のバンドの様なチームやユニットを作って作品作りをしたいですね。
また、コロナの影響で2年ほど帰省できておらず、この先老いていく両親の姿を元気なうちに毎年撮影してあげたいと思い始めたことから遺影写真の撮影に対して興味を持ち始めています。
生前整理をする前に自分が好きな場所や好きなものに囲まれてその人らしさが溢れて、その人がどういう人間であったのか伝わる写真を撮っていきたいです。
写真現像の強い味方!岩田量自氏のLightroomプリセット
Lightroom XY Presets by Ryoji Iwata
フォトグラファーの岩田量自氏が、iPhoneから始まったこれまでの写真活動から膨大な数の写真をとおして、検証に検証を重ねて作り出した、こだわりのプリセット群。10年間、場所や天気を問わず、また昼夜も問わずありとあらゆる写真を撮り続けてきた結晶は、アレンジの幅も広く、高い汎用性をもっています。仕事でもプライベートでも恐れず使える、そんな高い汎用性、アレンジの可能性を持つ自信作のプリセットになります。