はじめまして。micalie(@micalie3) と申します。
私は日常の中の非日常をテーマに、奇妙でおかしな写真を撮っています。
被写体は主に自分自身や花や植物たちで、自分自身を被写体にするセルフポートレートでは、いわゆる自撮りとは違った、絵画でいう”自画像”の様な表現を楽しんでいます。カメラは長年の付き合いであるiPhone7をメインとしながら、時々デジカメも使っています。
今回は、スマホで気軽にセルフポートレートを楽しむ方法や、アイディアの育て方をお話ししていきたいと思います。
スマホで気軽に楽しくアイディアで魅せるセルフポートレートの撮り方
スマホで写真を撮り始めたきっかけ
スマホで写真を撮り始めたのがInstagramがきっかけです。
元々写真には興味はあったものの、いきなりカメラや機材を揃えて本格的に…というのはハードルが高くて足踏みしていました。なので、すでに手元にあるスマホで撮った写真を気軽に見てもらえるInstagramは私にとってうってつけのツールでした。
当時はスマホ写真に慣れたらカメラを用意するのもいいなと思っていましたが、「いつでも持ち歩いているスマホ=いつでも撮影できる」ところや、指一本の簡単な操作で何とかしてくれる頼もしさに、ストレスなく長い期間スマホのみで撮り続けていました。
デジカメを購入してからは、ぱきっと写したい時はスマホ、映画みたいなとろける雰囲気を出したい時はデジカメなど、撮りたい内容によってスマホとデジカメを使い分けてみたり、両方撮影してみて気に入った方を選んだりしています。
私は何枚か試し撮りをしたものを、一旦編集アプリで軽く明るさや色合いを変えたりして完成のイメージを固めることがあるので、それが簡単にできるスマホを優先することが多いです。
イメージを自分に投影するセルフポートレート
「私」の一部を小道具として撮り始めた理由
はじめから自分を被写体とする写真を撮っていたわけではなく、元々は花や植物、風景を好んで撮っていました。
そのうち人の気配がする写真というものにも興味が湧き、「自分の影を景色と一緒に撮ってみよう」、「手も入れて撮ってみよう」と、自然物だけの写真に自分の一部も組み合わせるようになり、段々と実験的な写真から人が関わる写真をメインで撮るようになりました。
しかし、人見知りの性格もあってモデルさんにお願いするのは緊張するので、代わりに自分が被写体となりこつこつと撮影しています。
「私」を客観的に捉えて撮るコツ
私の場合、「私本人」として写真に写ることにちょっとした苦手意識を持っているので、自分自身を写真に登場させる時は次のようなことを頭の中で整理して撮ることが多いです。
- 小道具のひとつとして
- 写真の世界の登場人物として
自分の手足を小道具としてイメージしてみたり、物語の登場人物として出演させてみたり、あえて写真と自分の間に距離を作ることで、客観的に、そして気負わずに撮影することができました。
気になったものを頭の片隅に残しておくアイディアの育て方
私は「日常の中の非日常」をテーマに、少し奇妙でおかしな、思わず二度見してしまうような世界を表現するのが好きです。
空想や妄想をよくしているのですが、そんな自分の頭の中を写真で具現化できるのが楽しいです。
このテーマはセルフポートレートでも意識していることで、アイディアは身近なものや普段の生活からよくヒントを得ています。例えば、100円ショップや手芸店、リサイクルショップ等、近所のお店からだったり、家にある何気ない物などにもアイディアの元は潜んでいます。
お店だと、並んでいる品物を眺めながら「これはこう使ったら面白いな」、「形がかわいいだとか便利そうだな」とかただの感想でもいいので考えてみましょう。
もしもその時何も思いつかなくても心配しないでください。ただ「見ておく」ということがとても重要で、いつかそれらを元に別のアイディアが膨らんでいきます。
さらに私は、映画やミュージックビデオ、アート作品等からも刺激をもらっていて、作品を見て沸き起こった感情を「こう表現してみたいな」だとか、感情を豊かにしておくことも大事にしています。
自分の感情に種を蒔いておいて、今まで見てきたものを栄養にして、自分らしいアイディアを育てていきましょう。
アイディアをセルフポートレートとしてカタチにする方法
それではここから、私の撮った写真とアイディアの使い方を紹介します。
連想ゲーム
この写真では、網タイツ→網→金網→南京錠というシンプルな流れです。
小物から連想ゲームのようにアイディアを出していくのは、自分の個性も出しやすいと思います。連想の流れもひとつだけではなくて、どんどん枝分かれして考えられるので選択肢は増えていきますが、もしもそこで溢れた選択肢はそのまま大事にとっておき、他の機会に活用してみましょう。
物語の中に入る
頭の中で物語が用意できたら、舞台と登場人物を用意しましょう。こちらは、もしもこの世界に大きな蝶がいたら、という物語を空想してその挿絵になるような雰囲気を目指しました。
確かゴジラの映画を観た時に「巨大生物って美しいな」と思ったのがアイディアの種で、窓に新聞紙で作った蝶の型を貼って、あとは全て西日にお任せして蝶の影を待って撮影しました。
写真を見てくれた方が、この物語の始まりや続きを自由に想像してくれたら嬉しいです。
変身願望
「ピンヒールを履きこなす人ってかっこいいな、私も履きたいな」と、当時自分の中でピンヒールブームが巻き起こっていました。
100円ショップで買ったネットソックスに何かを表現したいと考えていた時に、ピンヒール状に糸を編み込めばピンヒールを履いている様に見えるのではと考え、ネットソックスに赤のレース糸を靴の形に編み込み、ヒールの部分はつま先立ちでレース糸を垂らして表現しました。
結局物欲は収まらずその後本物のピンヒールを買いましたが、なりたいものになりたかったらアイディアを使って思いっきりなりきってみましょう。
遠近法でおかしな世界を
物理的に難しそうなものを撮影するときは、トリックを使ってみるのはいかがでしょう。
もう捨てようと思っていたガラス瓶を何かに使ってからお別れしよう…と淋しさの感じるスタートでしたが、瓶で何をしたいか、何ができるか空想して、行き着いた先は「瓶の中に入りたい」という不思議でおかしな世界でした。
スマホの前に瓶を置いて、私は瓶から離れて遠近法で「瓶詰めにされてる」ように、現実では小さな瓶になかなか入れるものではないので写真の中だけの体験です。
セルフでうまく撮るのに時間がかかりましたが、その時間も含めて楽しかった思い出が残っており、結局瓶は捨てずにおいてあります。
セルフポートレート撮影のコツ
全身を撮る場合は大きめの鏡で自分の姿を確認しながら撮影する
セルフポートレートは、自分の時間と撮りたい気持ちがあればすぐ行動できるのが魅力的なポイントですが、一人で被写体と撮影を行うと、上手くいかず何度も撮り直しをして時間がかかることもあります。
私は撮り直し、自分のイメージを超えた思いがけない一枚が撮れている事もあるのであまりネガティブに捕らえていません。時間が限られていても焦ったりしないで、「今日は1枚面白いのが撮れたらいいかな、全く撮れなくてもまた今度!」というリラックスした気持ちで撮ると、撮影中にまた新たなアイディアが降ってくることも。
それでもやっぱりある程度の撮り直しは減らしたいですよね。
私がたまにやるのは、アナログですが三脚を使って全身を撮りたい時など、三脚の後ろに姿見などの大きめの鏡を用意します。自分の姿などを確認しつつ撮れるので失敗も少なくなるので、是非試してみてはいかがでしょう。
手持ち撮影の場合はあえてスマホの画面を見ない
他には、私は手足を撮る時はスマホを手持ちで撮影することが多いです。
手持ちの場合はスマホ画面を見て確認しながら撮りたいところですが、それだとある程度、写る場所や距離が限られてしまいます。なので必要な時は画面を見るのをやめます。画面を見なければスマホを持つ手も伸ばせるところまで伸ばせるので写る場所も広がります。
アイディアに詰まってしまった時や、マンネリ感が気になった時は、カメラのアングルやポジションを思い切って変えると、新しい表現に出会えて気分もすっきりです。
スマホは写真を身近に感じさせてくれる最高のパートナー
私にとって、スマホは写真を撮ることを身近にしてくれるとても大切な存在です。
スマホのおかげで視点が広がり、セルフポートレートの楽しさを知ることができました。これからも自分の想像力を大切にして、たくさんの世界を表現していきたいと思います。
セルフポートレートの撮り方まとめ
- 一眼レフなどのカメラに対してハードルが高いと感じる人は、スマホ撮影がおすすめ
- セルフポートレートは、「自分自身」をそのまま写す必要はない
- アイディアは身近なところに潜んでいるので、日々の生活をよく観察しながら過ごす
- 全身を写す場合は大きな鏡を用意し、手持ちで撮影する場合はあえてスマホを見ずに撮影する
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