こんばんは、カメラだとかレンズだとか色々言いながらも、社内ではカメラの話は殆どせずに晩御飯何食べるかという会話がホットトピックな黒田明臣 @crypingraphy です。今回は、撮影枚数、機材の判断基準、カメラの使い分けときて、今回はレンズの使い分けについてお話してみます。
2017年に使用したレンズは全て合わせて38本。今回はその中から、いくつかおすすめのものをご紹介したいと思います。いくつかレンズ一体型のカメラやフィルムカメラも含まれていますが。黒田が所有しているものから、レンタルして使用したものまで。あくまで個人的な趣味趣向に基づいたセレクトと、高慢と偏見に満ち溢れたジェーン・オースティンなご紹介である点にはご留意くださいませ。
レンズ沼とはこのことか
これはカメラも然りですが、前回ご紹介した中も含めて購入時の判断基準をご紹介。
判断基準
- ダイナミックレンジの広さ
- 対応レンズのラインナップ
- 携帯性
- 明るいレンズ
- MTF曲線
- 階調性
- 50mmレンズを基本として考える
- プラスアルファ
レンズは解像感を重視されがちな側面もありますが、個人的には解像感のみではなく階調性やニュートラルな味付けを好みます。なので例えば、オールドレンズなんかですと、あまり作風に合わないので使用することはありません。おもしろいなあとは思いますけど。
おすすめレンズ
ということでレンズのおすすめです。レンズ資産は複数マウントに渡っているのであまり効率の良い持ち方はしておらず、これは全く参考にしないでよいのですが、お持ちのマウントがマッチするようでしたら参考にしてみてください。
Sony FE 50mm F1.4 ZA
全身、バストアップ、ヘッドショットを、スタジオからロケーションまで幅広く、とりあえずカメラにつけておこうというレンズ。同社のSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAもすごく良いレンズで卓越した解像感だったのですが、5mmの違いと階調性のバランスを考えると個人的にはこちらがしっくりきました。ただ55mmはほんとうにすごく良いレンズです。コストパフォーマンス的には恐ろしいレベル。使用していた時には12M程度の画素数でも圧倒されるほどの解像感でした。
スタジオや背景紙を使用した撮影などでは、大体50mmで撮影していますし、日頃パーソナルワークとして取り組んでいる室内での撮影についても、F1.4を存分に活かせますし、昼夜問わず撮影しています。
Sony α Universeでは、こちらのレンズを含めたインタビューも掲載していただいています。
Sony FE 85mm F1.4 GM
中望遠が必要な際はこのレンズ。85mmの撮影は昨年だと殆どこちらで済ませました。バストアップ以上のスタジオ撮影もそうですが、それ以外のロケーション撮影でも、中望遠でのF1.4というアドバンテージを存分に活かした写真に好んで使っています。昔は、85mmという画角がすごく好きでそればかり使用していたんですけど。さいきんは50mmに頼りがちなので、もう少し意識的に使っていきたいなとは思っています。
ボケの描写と、ボケまでのシームレスな流れに、レンズのこだわりを感じます。
このレンズについては、下記のレビューも参考にしてみてください。
Leica Summilux 50mm F1.4 ASPH.
Leica M Typ 262と合わせて、ベストケース。これを越えるレンズだとApo Summicron 2/50も気になるのですが…予算オーバーです。ある程度いまのカメラやレンズ遊びが終わって、いつか大人になったらライカとあれ一本で済ませてしまいそうな予感がしています笑。話は逸れましたが、50mm F1.4という万能感に全力でもたれ掛かりながら使用しています。ピントが合致して思い通りに光を捉えられた時の描写には独特のものがあります。
このレンズへの愛については、こちらの記事も参考にしてみてください。ハードルの高い価格ではありますが、それだけの価値は見いだせました。全く興味ない方が購入する必要はないと思いますが、もし悩まれていて「誰かの後押しが欲しい」というようでしたらいつでも背中にタックルさせていただきます。
Carl Zeiss Distagon 35mm F1.4 ZM
お気に入りのレンズ。Carl Zeissレンズは、自分の現像方法とすごく相性が良くて昔から愛用しています。とくにこのレンズは、マウントアダプタを介した使用を長らくしていたのですが、いまは本来のマウントであるライカで使用しています。周辺減光は特徴的なのですが、それを効果的に活かしつつ、中心部のシャープさや空気感にけっこう度肝抜かれている感覚。
いずれ改めて特集したいとは思っていますが、すごく魅力的なレンズです。これまでのレンズは比較的万能に何処でも気分的な物も含めて使い分けていましたが、これは主に室内における作品撮影で使用しています。ロケーションで使用しないわけではないのですが。
Sigma 50mm F1.4 DG HSM Art
Sigma Artシリーズの一本。これは仕事で主に使用しているため、ここではご紹介できず一昨年になりますが2016年の写真を紹介します。テザー撮影でテンポよく撮影する際には、当時Sony α7R IIのバッファ問題などもあり、D810を使用していました。その際に、色々試した結果もっともAFでぱきっと撮れるレンズは、この一本が個人的に合いました。
スタジオライティングでの撮影でも万能で使えます。
Olympus M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
前回ご紹介したカメラと合わせて使用していたレンズ。フルサイズ換算では50mm相当になります。F1.2というボケ味は、マイクロフォーサーズとは言え充分なとろみがあり、何より光をきちんと捉えてくれている点が素晴らしいです。
上記デジカメWatchさまのレビューでは掲載できなかった写真も多いのです。どれもお気に入り。
オリンパス公式サイトでは、ユーザー投稿ギャラリーなんかもあるのですが、やはり人物写真によく使われていますね。ポートレイトには最高だと思います。
個人的にはマイクロフォーサーズを生かして望遠レンズを試したい所ですが。
Tamron SP 45mm F1.8 Di VC USD
さいきん使用しているあたらしい標準レンズ、SP 45mm。こちらは夏から秋にかけてお世話になりました。標準域は55mmのように少し寄り気味より引き気味だと作風としても使いやすいという面もあり、45mmというのはすごくしっくりくる画角でした。
明暗差をニュートラルに描きつつ、低照度でもしっかりとした階調が表現できている点が心地よく、自然光で光の明暗差が読めないケースなどでは重宝します。余計な味付けがなく、非常にニュートラルな写りなんですよね。
ニュートラルな写りということは、クリエイティブな撮影をした際にも、撮影時のセッティングが素直に反映されるので、撮ろうとしている絵と出来上がりにあまり誤差がない感覚で、使いやすさに驚きました。正直タムロンレンズを甘く見ていました。すみません。こちらのレビューはTAMRON LENS BLOGの方でもご紹介いただいています。
Carl Zeiss Batis 2.8/135
Carl Zeiss Batis シリーズから昨年発売された135mm。F2.8という潔い値ですが、けっこう笑っちゃう性能でした。
手ぶれ補正もそうですし、解像感やAF速度など、とにかく便利。強いて言うのであればマニュアル操作をするのにちょっとコツがいるという点には慣れが必要ですが、とにかく写りが良い。
中望遠の135mmらしい点を強調するのも良いですが、個人的にはビューティー撮影に利用するという使い方がもっともマッチしていました。今でも使用していますが、ビューティー撮影をする際や夕暮れの低照度撮影などでは重宝しています。α7シリーズの手ぶれ補正と相乗効果が見込める点も嬉しかったですね。
Sony FE 90mm F2.8G Macro
マクロレンズとして使用している一本。圧倒的解像感を推したいところですが、マクロレンズって意外と万能なんですよね。等倍マクロではなくてもポートレートには普通に使えます。参考写真のようなライティングを使用したものもそうですし、手持ちで普通に撮影する分にもクローズアップした撮影ならやはりマクロレンズ。
これは99%仕事のブツ撮りなんかで活用しています。これまでマクロレンズが活躍する場面というのはそこまで多くなかったのですが、今年は6,000枚近く出番がありました。(特に多いわけではないですが、個人的に例年と比較して笑)。高画素のカメラとなって、クロップした対応というのもやりやすくなっているとは思うんですけど、やっぱりマクロレンズならではの良さがありますね。
GF32-64mm F4 R LM WR
めずらしくズームレンズ。ここまでのラインナップをみても個人的に単焦点の使用ばかりで、ズームレンズで使用するのは望遠70-200mmくらいなものです。GFX50Sを使用していた際も、63mm単焦点が基本かな〜とか思っていたんですけど、GF32-64mm F4 R LM WR。こちらの性能と描写にもっとも驚かされました。
ズームレンズを忘れさせる描写で、とにかくズームって便利だなって。今更…。24mmから50mmという個人的に使用したい画角がぴったりハマっている点もかなり良かったんだと思います。
いわゆる大三元レンズ、各社の24-70mm F2.8を使用した経験がないわけではないのですが、それ以上の感動がありました。
海のようなロケーションで、背景と合わせての撮影やクローズアップなど様々なパターンを、テンポよく撮影出来るのは強みですよね。けっきょく写真撮らないとはじまらないですから、とにかく枚数撮りたい。放っておくとあんまりシャッター切らないタイプなので、ついつい枚数が増えてしまうのも喜び。
ズームレンズの良さを再認識しました。
ポートレイトにおすすめの一本
所有しているレンズやそうでもないものも含めて、色々振り返ってみましたが、これ全部買おうと思ったらジエンドしますね。自分も全て欲しかったり使い分けたりしようと思うわけではないのですが、色々使ってしまうと見えてくるものもあれば、正直迷いも生まれます。様々なメーカーを使用されている方が読者の中にもいると思うので、それぞれのマウントで参考になれば幸いです。
おすすめの一本は決めきれないですが、黒田の観測範囲という制限はありますが、いくつかのマウントにまたがってご紹介させていただきました。どれもおすすめですよ〜。
それではまた桜の咲く頃に。
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