みなさんはじめまして。ぼっちゃん(@KBotchan)と言います。私は、長野県で、妻と3人の子供たち、そして私の母と暮らしている、今年で49歳になる父です。
普段はサラリーマンをしており、週末は家族の写真を撮って、その家族写真をインスタグラムやツイッターに投稿しています。
今回、私の撮っている家族写真のスタイルを、そこへ至った経緯にも触れつつご紹介していきたいと思います。身近な人を写真におさめたいと思っている方へ、こんな思い出の残し方もあるんだと一つの方法として楽しんでいただけましたら幸いです。
私にとって写真とは
私にとって写真とは、私が存在していた証だと思っています。また、家族写真は、私が子供たちを見つめ続けた証です。
何十年か経って、私がこの世に存在しなくなっても、写真は残ります。子供たちが大きくなって、私が撮った写真を見た時に、自分たちの子供の頃の記憶と共に、私を思い出してくれたらうれしいと思っています。
そして、写真を通して、私が子供たちをどう見ていたかを知ってくれたらと思います。写真は、記録であると共に、撮った人の存在を未来に伝えてくれる物だと思うのです。
古民家が撮影に良い理由
私たち家族は、長野県にある築100年程の古民家に住んでいます。私の家は、曽祖父が小さな造り酒屋を始めた時に建てられました。作ったお酒を家で売っていた為、人を招き入れやすいよう、開放感のある造りになっています。
古民家の特徴の一つとして、窓が多い事が挙げられると思います。これは、写真を撮る上でとても良い要素です。季節や時間帯によって、様々な場所に、様々な光が取り込まれます。写真を撮る私とっては、最高の環境となっています。 また、積み重ねられてきた100年という時間は、写真を通して、懐かしさとなって滲み出ているように感じます。
家族写真撮影のコツ
同じ場所で撮り続ける
インスタグラムの投稿は、基本的に家の中の写真に限定しています。 当初、家の中だけの写真は、ワンパターンではないかと感じていました。しかし、同じ場所で撮り続ける事で、メリットも見えてきました。
同じ場所でも、全く違った雰囲気の写真を撮ることが出来る
同じ場所でも、季節や天気、時間帯によって光は変わります。
私は以前、木漏れ日の写真ばかり撮っていました。家の中で撮る写真にインパクトを加えるなら木漏れ日が良いと思っていたのです。なので、曇りの日や雨の日は写真をあまり撮っていませんでした。
ある時、いつもの場所で曇りの日に撮ってみた写真を見てみたら、晴れとは違った柔らかで繊細な光がとても好きになりました。撮る場所は同じでも、光の加減でこんなに写真は違って見えます。そして、木漏れ日でなくても、とても素敵な光は存在する事に気付きました。
家の中は一番リラックス出来る場所
大人も子供も同じだと思いますが、リラックスしてのんびり過ごせるのは、家の中だと思います。その空間で写真と撮り続ける事で、子供たちの、飾らないありのままの姿を撮る事が出来ると思います。
構図への意識が高まっていく
同じ場所で撮り続ける事で、自分にとってのベストな構図が決まってきます。そのベストな構図で撮り続ける事によって、精度をより高めようという意識になります。あと半歩寄ったり、引いたり、カメラの位置を少し高くしたり、低くしたり。微妙な調整でより精度の高い構図が出来上がっていくように感じます。
同じ構図ではワンパターンになってしまいますから、色々な構図にチャレンジする気持ちになれるのです。それにより、新たないい構図を発見出来ます。
撮影時のレンズは1本
私が所有しているレンズは、35mmと50mmの2本の単焦点レンズです。そして、家の中で使用しているのは、35mmの1本のみです。
1本のレンズで撮り続けるメリット
子供の写真を撮る時は、スナップに近い感覚で撮っています。子供はじっとしている時間が短く、よく動くからです。スナップのように、今だと思った時に素早くシャッターを押す必要があります。その時に大事なのが、被写体との距離感です。1本のレンズで撮り続ける事で、カメラを構えた時の距離感に迷いが無くなります。そういったことから露出の設定や構図へ意識を集中出来るので、シャッターを押すまでの時間が短くなることに繋がるのです。シャッターを押すまでの時間は、子供の一瞬の姿を撮れるか撮れないかの結果にも繋がってくると思います。
愛する子供を引きで撮る視点と距離感
私は存在していない
子供たちが家の中で過ごしている時に、ここにいて欲しいと場所を指定する事はあります。子供たちはその場所で、私の事は全く気にせず自由に過ごします。私はその場所に存在していないのと同じです。私は黙ったまま写真を撮ることが多いです。子供たちにも声はあまり掛けません。そして、心の中も静かな状態で撮っています。自分の子供を撮っているという感覚ではなく、ひとりの被写体として見ています。
子供たちをそっと見守っている
私は子供たちを少し離れた場所からそっと見守っているような感覚で撮っています。この感覚が、写真の中の子供たちとの距離感を作っていると思います。
そっと見守る視点になった理由
私は以前、子供たちの顔や表情が写っている写真を、SNSに投稿する事に抵抗がありました。その考え方が影響して、子供たちの表情や顔のアップを避けて撮ることに繋がったのです。なので写真には、子供の表情が重要な要素になっている写真が少ないのです。
そういった写真を撮り続けていくうちに、そっと見守る視点の写真になっていったという経緯です。これも先ほど挙げた「制限」のひとつかも知れません。ただSNSにアップするからという理由だけではなく、より自分の視点に近くなったリアルな写真を残せているなという気づきにもなり、より撮り方が明確にもなっていきました。
そっと見守る写真のポイント
手前に障害物を入れる
私がよく使う構図のひとつが、手前に襖や障子を入れて撮る構図です。この構図は、そっと見守っている雰囲気が高まると思います。
後ろ姿
私は後ろ姿を撮るのが好きです。人の背中には、その人の感情が滲み出ているように思えます。また、表情が見えない事によって、写真を見た人の想像を促す効果があると思います。そして、子供たちの後ろ姿の写真は、そっと見守っている視点の写真になると思っています。
絶景写真でも、美しいポートレートでもない写真
そっと見守っている写真を自分のスタイルとして撮り続けていて、感じた事があります。SNSに写真を投稿していると、私の写真を見た方からこんな言葉をいただきます。
- 自分の小さい頃を思い出しました。
- 小さい頃、田舎に帰って過ごした時を思い出しました。
- 懐かしく感じ、涙が出てきました。
絶景でも、ポートレートでも、都会の華やかな街並みでもない子供の日常写真に、多くの反応をいただけるのは、とても嬉しいことです。私の子供たちの写真を見た方が、自分の過去の記憶を思い出す。これは、家族写真の中でも引いて俯瞰の視点で撮った写真にしか出来ない魅力なのではないかと私は思います。そして、家族写真の中に、見守るような視点の写真を加えることで、子供たちの飾らないありのままの姿を残せると思います。
今を撮ることの大切さ・未来への楽しみ
子供たちが大きくなると、習い事や、スポーツ等、自分の好きなことに使う時間が増えてきます。勉強もしなくてはなりません。それに伴い、写真を撮れるような一緒にいられる時間は減っていきます。子供たちの写真をいつかは撮れなくなってしまうかも知れません。考えてもいなかった事で撮れなくなる事もあるかも知れません。だからこそ、今を撮る事が大切だと思います。そして、撮れなくなる日まで撮り続ける事が大事だと思います。
私には、いつか必ず撮りたい写真があります。それは、子供たちが大きくなって、私の撮った写真を見ている姿です。その姿を見守りながらそっとシャッターを押したいと思います。
その日まで、写真を撮り続けたいと思います。